研究者として生きて行くために必要な3つの能力【実力だけでは足りません】

研究者として自由に研究をして生きていきたい。そのときは、大学や公的な研究機関で働く人が多いでしょう。では、どうしたら大学や研究機関で働くことができる確率が上がるのかメモしていきます。

大学や研究機関で生き残るために必要な能力

大きく分けて3つあります。それは実力政治力です。
なぜこの3つなのか。競争社会だから実力だけではないのかという方もいると思うのでそれぞれの能力について詳しくメモしていきます。

実力について

まず、前提として研究のプロとして行くために結果として業績を残しているのは当たり前です。プロ野球選手も、プロになる前に試合で結果を残して、注目されたからプロになることがでたという人がほんとんどだと思います。
ここでいう実力をさらに細かく見ると、大学や研究機関で問われる能力として下記の項目が挙げられます。

  • 研究を遂行する能力
  • 論文を書く能力
  • 教育する能力
  • お金(研究費)を獲得する能力

色々ありますが、一言でいうと業績です。
これは、研究者の履歴書みたいなものでいうと業績欄に記載できるものになります。
これまで執筆した論文の数、共著論文(論文の執筆は直接していないがその論文に貢献して、共著者として記載されている)の数、これまで獲得した研究費などでどのようなことをしてきたか。
以上が実力についてになります。

政治力について

政治力といっても本当に政治をするわけではないのであくまで比喩的表現です。
現代風にいうとコミュ力と呼ばれるものです。
大学や研究機関で働くといっても、自由にそこで働くわけではありません。
一般的なサラリーマンと同じく、大学や研究室に雇用されるため、雇用主がいます。
ということは、そこで働くためにはいかに雇用主が求めている人材であるかということをアピールする必要があります。

ここでアピールする内容としては、業績なんかは書類を見れば一発でわかるので、一番積極的にアピールするところではないでしょう。
逆に、どれだけ研究のことを知っていても、考えていても、能力があっても、業績欄に書くことができないものはあまりいい評価はもらえません。あくまでも、論文などの業績欄に書くことができるものが重視されます。

なぜなら、いい研究をしていても基本的にその価値を理解出来る人は本当に少ないです。
人事権を握っている教授ほど研究の最前線から離れているので、基本的に研究の価値を理解できる人は少ないです。
なので、研究面については本当に、ドライに論文が出ているか、国際学会で発表しているかという、目に見える誰でもわかる実績が重要視されるわけです。

では研究以外で何をアピールしたら良いのでしょう?

それは

  • 分かりやすくインパクトのあるように説明できます!
  • 雑務でも何でもやります!
  • 教育もしっかりできます!
  • 研究室の運営もできます!

など研究の以外の部分が大きいです。
何故なら、教授や大学が欲しいのは研究を遂行して、教育をして、ラボの運営を手伝って、雑務をしてくれる人です。研究の遂行力は学会での発表より、出した論文しかほとんど見られないので、アピールするところは必然とそこ以外になります。

ではどうやってアピールすると良いのでしょうか?

まずは覚えてもらうことが必要です。有名な教授であればあるほど、1回の学会で数えきれない人と会話をします。
そこで一回挨拶したぐらいではなかなか覚えてもらえません。
ですので、学会に行く度に挨拶する必要があります。
覚えてもらって、色々な話ができるようになれば、とりとめのない日常会話、日々の研究室での出来事それに対する考え、行なったことというように話を発展させて、自分の研究室での働き方のアピールをします。

私が出会った研究者の方々の多くの人たちは、口を揃えて、食事や懇親会でのお話しは、研究のことなんてほんの少し最後にするくらいだと言います。
ですので、いくら研究者どうしであっても、研究の話でアピールすることはなかなか難しいようです。
いかに日常的な会話をしていく中でアピールできるかが勝負となるそうです。

という感じで、研究以外のところでいかに人に気に入ってもらえるかという能力のため、政治力と言い回しています。
要は、いかに駆け引きや根回しができるかどうかということです。コネを自分で作れるかどうかです。

運について

どれだけ、実力があって、政治力があってもこれが欠けると何もならないといっても過言ではありません。
というのも、大学や研究機関で雇用されるに当たって、その雇用制度は決まった数の枠があり、その枠が空いているかどうかが重要になります。
そして、日本の現在の流れとして、その枠を徐々に少なくしようということが取り組まれていると噂されています。

少々古い記事になりますが、下記に、国からの予算が削減されて人件費を削るということが記載されています。

こういう記事自体、全てを信じることはあまりよくありませんが、現在の国の研究費の予算として、「選択と集中」ということが言われているので、減るところは減るし、増えるところは増えるというのが真実でしょう。
おそらく全体で見たらそこまで変化しないのかもしれないですし、増えるかもしれないですし、減るかもしれないです。

ただ、一つ言えることは、選択されなかったところは減るというのは確実です。
ということは、コネが割と重要な大学と研究機関の雇用で、自分の出身した場所の雇用の枠が減るということは、なかなかな痛手ではないでしょうか。
教授自身はその人が欲しいけど、雇用するお金がないため、雇うことができないということが、少なからず起きてくることが推察されます。

そして、めちゃくちゃ優秀な人でも、募集に応募してみた結果、そこの研究室のろくに業績も出してない人が採用されるといったこともあるくらいです。

どれだけ頑張ってもなかなか業績通りに報われないこともある世界です。

ということは、やはり運が必要となるわけです。そこは自分でも雇用主でもコントロールすることはなかなか難しいところです。だから運なのです。

ただ、運は正当に努力している人ほど掴める可能性が高くなると思うので、所詮運だからといっても、業績と政治力は磨きましょう。

政治力と運を上回る実力も大事

実力以外が大事とはいっても、圧倒的に業績を上げたら引く手数多なのではないかという意見もあると思います。
確かに、本当に有名な雑誌に論文を載せる事ができれば、こちらから探さなくてもポストが来る可能性はあります

現に、とてもインパクトのある研究を行なって、日本ではその人を雇う枠がないといっている間に、海外の大学からオファーがきたという人がいます。
しかし日本としてはそんな優秀な人を海外に渡すのは勿体無いということで、急遽枠を作って日本で確保するなんてかっこいい例もあります。

ですが、基本的にそんな有名雑誌に若い人が載せる事ができることは、よっぽどの天才か強運の持ち主しかできません
そのような有名雑誌に論文を乗せるための研究プランとして、実験から論文の作成・投稿をするのに1−2年ぐらい見る必要があります。
当たり前ですが、これはうまくいけばの話しで、上手くいかないこともざらにあります。
実際に、有名雑誌しか論文として認めないというような教授の下で学生をして、論文を出すことができず、貴重な20代30代の5年ぐらいを消費してしまったという人も珍しくありません。

ということは、これは賭けの要素が非常に強いです。長年の経験と実績を積んだ教授ですら、全てを狙ってやるのは難しいと聞きます。
ですので、天才以外はこの手法はあてにしないほうが良いでしょう。地道にコツコツと積んでいくしかありません。

私が見てきた範囲での話になりますが、実力が足りてなくても政治力と運があれば研究者として生きていくことも可能です。
政治的手腕がすごくて研究費も取ってくるし、その界隈でなかなか名を馳せている教授がいます。しかし、そんな人でも、最新の論文の情報を把握すらできていなかったり、実験手法について理解できていなかったり、研究結果について理解できなかったりする人がいるのが現実です。

プロの研究者、国の最高教育機関の最高職の役職である教授ですらその程度の人もいるので(もちろん人間離れした神の領域にいる方が大半です。)実力だけが全てではありません。
大学や研究機関の研究者は実力、政治力、運の3本柱で成り立っているので、将来そういったところで生きていきたい人はこの要素を意識して行動していく必要があります。

研究者としての能力をバランスよく

研究者に必要な能力は実力(業績)、政治力、運の3つです。
特化型でいくか、バランス型でいくかは自由ですが、確率が高いのはバランス型でしょう。

ですので、将来大学の教員や研究機関の研究員になりたい方はこれらの全ての能力を伸ばしていくことが、可能性を高めてくれると思います。

逆に、政治とかしたくない。研究だけをやって生きていきたいという人は、実は大学や研究機関という環境は合わない可能性が高かったりします。

自分のやりたいことを、必要とされている能力と照らし合わせることで、その選択が合うどうかを判断することができると思います。

正直なところ、数年前の自分に言い聞かせて、判断しなさいと伝えたいところです。
気づくのが少し遅かったことを反省していますが、今は把握したのでこれを踏まえて選択していきます。

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