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企業研究者が大学でもっとやっておけばよかったと後悔する3つの環境

Science Memo
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大学院で博士号を取り、ポスドクを経験後、企業の研究者になり、「大学にいるうちにもっと使っておけばよかった」という後悔に基づいた、大学だからこそ受けられる恩恵をアウトプットします。

大学にいるからこそ受けられる恩恵は何?
大学にいる間だからこそ使えるものって何?

企業に研究者として就職した今、感じることは、
「大学のリソースを使い倒すこと」です。

その中でも、下記の3つはもっと使い倒しとくべきだったと後悔しています。

  • 図書館
  • 共通機器
  • 色々な先生に研究の相談をする
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大学にいる間にもっとやっておけばよかったと後悔したこと

それは、「大学のリソースを使い倒すこと」です。
普段当たり前にあるとなかなか気づかないけど、なくなると気づくことって結構ありますよね。

大学院を出て、ポスドクまで経験して、企業に研究職となった今特に感じる大学にいる間にやっておけばよっかった後悔がまさにこれです。
企業の研究環境を経験して、大学は本当に研究する環境が充実していたなと心のそこから感じます。

特に使っておけばよかったと思うのが下記の3つです。

  • 図書館
  • 共通機器
  • 色々な先生に研究の相談をする

図書館を活用しまくる

専門書は高い

専門書は1冊数万円するものもざらにあります。
自分で勉強するのはもちろんですが、論文の引用するのにどうしても必要な数ページがあるときがあります。
この時にいちいち自分の財布で頻繁に買うと破産します。
こんな時、図書館があると本当に便利ですね。

論文がたくさん読める

論文も購読しようとするとかなり高いです。
Natureだと、年間「56,100円」かかります。とてもじゃないけれど個人で買うのは厳しいですね。(参考:Nature定期購読

そして、論文は玉石混合だし、今必要なくても後のふとしたタイミングで必要になる時があるので、出来れば読み漁っといた方がいいものです。
大学の図書館で購読している論文は、無料で気兼ねなく論文が読み漁れるので、読めるうちに全力で読んで、気になる論文は片っ端からダウンロードしておきましょう。

多分野の情報が得られる

企業でも関連図書をまとめた図書室はあるところがあります。
ただし、関連外だとなかなか置いていません。

新規テーマを考えたりするときには異分野の情報が必要になることもある中で思うのは、
研究でわからないことがあったら異分野の事でも図書館で気軽に調べることができる大学図書館はとても素敵な環境だったなということです。

異分野の知識から作られた視点が研究では大いに役に立つので、大学にいるうちに、自分の研究に関連する異分野の知識を取り込む力をつけておくと良いと思いました。

共通機器を使い倒す

低コストで実験の手技を身につけることができる

研究する上で高いものはやはり装置ですね。
バイオ系で最新の研究をしようと思うと数千万の装置なんてざらにあります。
そして、装置がないとやりたい実験できないことがほとんどです。
お金を確保して、新規に立ち上げるときも実際に経験がないとかなり骨が折れます。

そんな中、大学の共通機器を駆使してとにかく装置を使い倒して、手法を身につけると、
企業に行って応用がかなり効くし、その研究が必要となって新規立ち上げをするときに大きなアドバンテージとなると感じました。
一つのことを突き詰めるもも大事ですが、身につけてる手技が多い方が問題に対応しやすいと個人的に思います。
最近のバイオ系の実験はキット化されていて誰でもできると言われてるけど、実際手技の熟練度の影響は大きいです。

「装置の使い方を知っている」だけでなく、「自分で使える」ようになると何より貴重な人材になれると感じます。

最先端の装置を使用することができる

最先端の装置(最新型の顕微鏡とかシーケンサーとか)はなかなか触ることができる機会がない人の方が多いと思います。
ラボ単体で購入できるほど安いものではありません。(持ってるラボは超絶裕福です。)

最先端の技術を組み込んだ装置だからこそできる研究があるというのもまた事実です。
空き巣的な研究になるけれど、誰もできていないことを先取りして行うことができるので、論文のネタとしてかなり優位に立てます。

それだけでなく、これからその装置を使った論文も増えてくるので、使用経験があると論文を読んだ際により深く理解することができます。
日進月歩の科学の世界で、最先端に触れることができる環境は大事だなと大学を離れた今、痛感しています。

いろんな研究室の教授に話を聞きに行く

何の気兼ねなく研究の話をすることができる

よほど忙しい人や気難しい人でない限り、大学教員は基本的には研究大好きな良い人なので、気兼ねなく研究の相談に乗ってくれる人が多い気がします。(個人的見解)

ただし、同じ大学のよしみ的な感じでしょうか。
企業に入るとなかなか気軽に相談できないことが多いです。(これも人によりますが…)
これには秘密保持というものがあり、浅いところではお話ができるけれど、深いところを相談しようと思うと契約など挟まないといけないので難しいです。
何より利害関係の立場になるので、基本的に相談だけということはあまりないかなと感じる。(共同研究が盛んな研究室で見てきた限りだと)

よく知っている人だとその敷居は下がるので、大学にいる間に、どれだけ顔を覚えてもらえるかというのも大事かもしれません。

※もちろん研究の相談するときは研究室のネタを他の研究室に話すことになるので、所属ラボのボスの許可は絶対得ましょうね。
アカハラとかは逆にバレないように行きましょう。

共同研究の敷居が低い

別の研究室の先生に相談することのメリットとして、共同研究を行う敷居が低いということがあります。
相談する中で、新しい発想が出て盛り上がってそのまま一緒になんてこともあるそうですよ。

大学内や大学間での共同研究は割と書類数枚をぽいっと出せば承認されることがほとんどなので、共同研究の敷居がとても低いです。
一方、企業と大学だと、利害関係の一致や研究費をどれだけ出すか、人をどうするかとか、企業側の都合と大学側の都合があるので、かなりハードルが高いです。

大学のように、学会で意気投合してそのまま共同研究とかはなかなかできないので、
大学にいる間に、自分の教授を巻き込んで共同研究に発展させるというのを経験しておくのは良い経験になるし、その力は企業で研究を行う上でも大事な力になると感じました。

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まとめ

以上、企業の研究者になり、「大学にいるうちにもっと使っておけばよかった」という後悔に基づいた、大学だからこそ受けられる恩恵のアウトプットでした。

その中でも、下記の3つはもっと使い倒せておけばよかったと後悔しています。

  • 図書館
  • 共通機器
  • 色々な先生に研究の相談をする

大学にいるうちは当たり前にある環境でも、離れて見るとあれは大学ならではの恩恵だったなぁというのは誰しもあると思います。
大学にいるうちにどれだけ使い倒せたかは、大学を離れてからの仕事などでかなり影響する部分だと実感しています。

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