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1細胞解析は再生医療でも重要な技術というメモ

Science Memo
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本記事では「再生医療で1細胞解析の役割、国際的な取り組み」について紹介した記事を読んで学んだことのアウトプットします。

現在、「1細胞解析」の技術が非常に熱い注目を浴びていますね。
自分はこの分野とずれたところにいたので、聞いたことある程度の情報しかなかったのですが、再生医療でも1細胞解析が注目されているようで、細胞の品質、安全性を確認するための一つの方法として応用が取り組まれているとのことです。

具体的には、1細胞解析あらゆる臓器の中の全ての細胞を解析してデータベースを作る計画が進められており、再生医療に使用する細胞の評価基準として使用できるのではないかとのこと。

参考記事

Quartz-Seq2: ヒト細胞アトラス時代の高精度1細胞RNAシーケンス法
二階堂 愛
日本再生医療学会雑誌 再生医療 第19巻第2号 メディカルレビュー社

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再生医療での1細胞解析

再生医療で利用する細胞のは、有効性や安全性を示す必要があります。
移植する細胞の機能が、目的の細胞とどれぐらい似ているのかということですね。

これを示すためには

  • たくさんある細胞機能
  • 細胞種によって注目機能が異なる

といったパラメーターを複数の細胞が混在する中で、細胞を1つずつ調べる必要があるそうです。

これを達成するために、1細胞RNAシーケンス法(scRNA-seq)が注目されているとのこと。
RNAの発現を1細胞単位で調べていくというかなり精密さが要求されるような技術に感じますね。
これを使って、ヒトの全ての臓器中の細胞を解析し、データベース化することでヒト細胞アトラス計画(Human Cell Atlas: HCA)というものが進んでいるそうです。(参考:Laboratory for Bioinformatics Research
これをすることで、再生医療で使用する細胞の「良い状態とは何か?」という指標ができることが期待されています。

1細胞解析の課題

scRNA-seqは様々な種類があり、国際共同プロジェクトで各国で分担して一つのデータベースを構築するためには、異なる手法で取得したデータを並べて比較できるようにする必要があります。

そこで、scRNA-seq法の性能比較研究が行われているとのことです。

scRNA-seq法の国際的な性能評価研究

scRNA-seqは細胞採取法や核酸増殖法などの違いで、複数の方法が提案されています。
そこで、スペインのHolger Heyn博士が中心になり、世界中のscRNA-seq法開発チーム(25の研究機関・企業)による国際ベンチマーク研究が行われているとのことです。(参考:Laboratory for Bioinformatics Research

ベンチマーク研究は下記のような手順で行われているそうです。

  1. Heyn博士たちが細胞の混合液を作る
  2. 世界中の研究者に送る
  3. 各研究者がそれぞれの手法でscRNA-seqを行う
  4. 未加工データをHeyn博士に送る
  5. Heyn博士たちが、検出した遺伝子数や細胞特異的マーカー遺伝子の検出などの6つの項目を定量化する

というような感じで、各研究者の主観が入らないように、生データを主催者に送って、客観的な視点からデータを取りまとめる感じですね。

高精度なscRNA-seq

上記のような国際的な性能評価研究の中で、特に「Quartz-Seq2」というscRNA-seqが多くの評価指標において、高い成績を示したそうです。(参考:理化学研究所、1細胞RNA解析で世界最高成績-国際的な性能比較研究で証明-

この「Quartz-Seq2」は、検出遺伝子の数が他の手法の1.5~5倍ぐらいの性能を示したそうです。
この性能の理由は、微量のRNAを漏れなくDNAシーケンス可能なcDNAに変換できるためとのこと。

1細胞を採取する方法について課題があるようで、ハイスループットな1細胞採取法とQuartz-Seq2を組み合わせると、好感度、多細胞解析が実現できるそうです。

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まとめ

本記事は、「再生医療で1細胞解析の役割、国際的な取り組み」について紹介された記事を読んで学んだことのアウトプットでした。
1細胞解析によって構築したデータベースを細胞の安全性や機能の指標とすることで、再生医療に貢献できることが期待されているようです。

再生医療と1細胞解析の結びつきが全然わからなかったけれども、この記事から1つ結びつきを考えるきっかけになったと思います。
過去記事の味覚の再生医療でもアウトプットしたように、幹細胞を用いた再生医療を行うときには、目的の機能を持った細胞を同定し、機能を解明する必要があります。
そうなったときに、1細胞ごとの解析方法が確かに重要なのだなと感じました。

これまでは組織という細胞の集団である森を見ていたが、それを構成する木(各細胞)もしっかりと見ないと、狙った機能を持つような組織を自由自在に作れないのかもしれないとも考えさせられました。

自分はこの分野は専門ではないのと、興味はあるけれど参入するリソースはないので、データベースの作成に貢献はできないけれども、データベースの価値はとても高いものだと感じます。
データベースができたときはかなり強力なツールになると思うので、活用できるように1細胞解析の分野について勉強しようと思いました。

ということで早速、教科書購入してみました。

1細胞の操作方法や解析方法について非常にわかりやすく解析されており、初心者でも読みやすいものでした。

これをきっかけに色々な論文を読み込んでいって活用するアイデアに結びつけていくとまた一つ先のステップにいけそうです。

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