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レギュラトリーサイエンスという学問について学んだメモ

Science Memo
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本記事では「レギュラトリーサイエンスという科学を健全に発展させるための学問」について解説した記事を読んで学んだことについてをアウトプットします。

「レギュラトリーサイエンス」とは薬事の分野では馴染みの深い学問だと思います。
このレギュラトリーサイエンスは薬事以外の分野でも非常に大事なものだなということで、科学の発展に大きく関与するものだなと感じました。

レギュラトリーサイエンスとは簡単に解釈すると、「研究・開発を評価する能力」について考える学問とのことです。

これができてないと、日本で発明された技術が海外に流れていってしまうなど、日本の科学の発展や経済としてもなかなか大きな損失を生んでしまうというかなり重要なものだそうです。

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レギュラトリーサイエンスとは

現在の世の中、国民が納得できるような科学的な公正な判断とその実行が求められているそうで、その切り札になるのが「レギュラトリーサイエンス」とのこと。
レギュラトリーサイエンスとは内山充博士が1987年に提唱したものだそうです。

内容が下記の通りで、

科学技術の進歩の所産をメリットとデメリットの観点から評価・予測する方法を研究し、社会生活との調和の上で、最も望ましい形に調整(Regulate)すること

レギュラトリーサイエンス-その運用とその世界の拡散-、近藤 達也、日本再生医療学会雑誌 再生医療 第19巻第4号 メディカルレビュー社

前者を「評価科学」
後者を「行政科学」
と定義づけていそうです。

レギュレーションについては、そのまま訳すと「規制」となり、「止めること」「抑えること」のイメージが強くなる。レギュラトリーサイエンスは「規制の科学」というよりは、「調和の科学」というイメージとのこと。
このレギュラトリーサイエンスとは、正しい判断に基づく調和が大事で、正しい判断とは、人類のため、社会のためになるかどうかの倫理的な判断とのことです。

レギュラトリーサイエンスの中身について

医薬品医療機器総合機構(PMDA)という機関が、レギュラトリーサイエンスを実装するために、「評価科学」「行政科学」について分析しているとのことです。

評価科学とは

  • 課題の利点、問題点をマッピング
  • 自然科学的、社会科学的に零点欠点を評価する
  • 良い点、悪い点、役に立つ点、役に立たない点、将来性について公正に評価する
    (絶対に好き嫌いで評価をすることは許されない)

行政科学とは

  • 「適正規制科学(工学)」と改名
  • 課題の良い点を伸ばし、欠点を抑制するための工夫をするもの

とのことです。

課題に対して、
正しく評価して、正し社会に提供することを考えるのが「レギュラトリーサイエンス・テクノロジー」だそうです。

レギュラトリーサイエンスの重要性

日本はイノベーションなしでは生きていけません。
イノベーションを進めるために必要なものの一つがレギュラトリーサイエンスとのこと。

参考文献の筆者が考える研究開発先進国の4つの評価基準は下記の通り。

  1. 研究・開発能力
  2. 研究・開発を評価できる能力
  3. 研究・開発を企業化する能力
  4. 市場の評価能力

1つ目がいわゆるアカデミックサイエンス

2つめが「レギュラトリーサイエンス」
これができていないと、国家的にも社会的にも大きな損失を被る事になるそうです。
日本で発明されたものが日本では低く評価されたのに、欧米では高く評価されて製品化されることが少なくないとのこと。
これについては私も心当たりがあるので下記でいくつか挙げようと思います。

3つめが工業化する力

4つめが製品を正しく評価できる感性豊かな市場

日本はどれも高めの水準とのことだが、2つめの「研究・開発を評価できる能力」については欧米と比べると劣っているとのことです。
その理由として、外国で評価されて初めて日本で評価されるものがあるそうですね。

このようなことを起こらないして、科学を健全に発展させるためにもレギュラトリーサイエンスという学問がとっても大事なことの1つではないかということです。

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思ったこととか考えたこととか

レギュラトリーサイエンスを学んで

再生医療でも創薬分野に足をつっこんでいると、「レギュラトリーサイエンス」というのはよく聞いてきました。
内容については何となく捉えていましたが、今回より詳しく知ることができて、科学技術を世の中に出すために重要な学問のうちの1つだなと感じました。

研究を行うためにも、世に出すためにも、第三者からの評価というのは切っても切り離せません。
しかし、その評価をする人の「評価能力」がかなり卓越したものでないと、なかなか様々な分野を正しく評価することはかなり難しいです。

「選択と集中」の失敗例を見ていると痛感する人も多いのではないでしょうか?

質の高い論文や研究を行う人が評価する側に回ることが多いと思いますが、研究能力と世の中に必要なものを評価する能力というのはまた別だと思います。
そしてその分野では卓越していても、残念ながら少しでも分野がずれると素人同然の人の方が多いと思います。
そんな中で必要なものを正しく選択することは至難の技ですね。

日本でレギュラトリーサイエンスが大事だと思うこと

実際に日本で行った研究でも、日本では評価されず欧米で評価されて発展した技術であったり、欧米で進んでいるから日本で大型予算のプロジェクトが組まれたりしていて、「選択と集中」と言いながら有効に機能しているとはなかなか感じられない体たらくですね。

例えば、オルガノイドの研究でも、日本で開発・発表した時にはそこそこにしか話題にならなかったものが、アメリカでかなりウケて、日本の何倍もの研究費を出して、アメリカで発展したといっても過言ではないような技術があります。
日本人が日本で発明したけど、実際に手厚く育てたのはアメリカ…なんてことが起きているわけですね。

他には、Organ-on-a-chipという小さな基板の上で臓器の機能を再現しようとする研究分野があります。最近はMPS(Microphysiological System)と呼ばれてもいます
(非常にわかりやすくまとめられているページ。(拡大するOrgan-on-a-chip市場、産学官連携で国際競争に挑む日本)

これについては、2012年にNIH(アメリカ国立衛生研究所:National Institutes of Health)などがかなり大型の予算をつけて、欧米ではかなり注目されている技術の1つです。(参考:研究開発の俯瞰報告書 ライフサイエンス・臨床医学分野(2017年)
日本でも徐々に広がっていましたが、日本が大型予算をつけたのが何と5年後の2017年ということだそうで、アメリカがMPSのプロジェクトをさらに継続すると判断したからなんて噂もあるぐらいですね。

このMPSの技術は、幹細胞の応用研究としても非常に注目されています。
日本はiPS細胞でノーベル賞をとったりと基本的な所では欧米に対しても進んでいると思います。
しかし、幹細胞を応用するような研究分野については欧米に遅れをとっているような状態です。
研究者個人としては欧米にリードを取れるような人材がいるにも関わらず、それを発展させる能力。いわゆる評価して伸ばす能力が本当に低いんだなと悲しい気持ちになりますね。

このことを踏まえると、レギュラトリーサイエンスを広めて、評価する能力を磨いていくのは本当に重要なんだなと感じました。

日本の市場は評価能力がある?

参考文献では4つめの項目「市場の評価能力」については低くないと述べていました。

ただ、私個人的には製品を正しく評価できる人は多くはないのかなと感じています。
その理由としては、インフルエンサーであったり、何かで有名になった人が「良い」と言ったものが「良いものになる」というのを見ていてです。

本当にいいものを判断する能力があるのなら、誰かが何か言わなくても売れるものは売れるし、売れないものは売れないと思います。
あと芸能人なんかが、何かにコメントをしているのを取り上げられているのをみて、確かに何かを成した人ではあるけれど、他のことは素人同然なことでも、コメントに価値を置かれている状況も違和感がありますね。

何かを評価するにあたって、自分で判断したというより、誰かが判断したことについて賛同しているというのが多いのかなと感じます。
水素水とか血液クレンジングとかまさに典型的な例だと思います。
自分で考えて試して判断している人ってどれぐらいいるんだろうと感じる今日この頃です。

批判的なことを多く述べてしまいはしたけれど、参考文献のように現状解決しなければいけない課題に対して真剣に取り組んでいる方々もいて、自分で判断する能力を持っている人も表に出にくいだけでちゃんといるのは事実なので、その方々が報われるような変化が起きたら良いなと思います。
そんな変化を起こすきっかけの一つが「レギュラトリーサイエンス」なんだろうなということで、以上アウトプットでした。

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