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再生医療も感染症研究に貢献することができることのメモ

Science Memo
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本記事では「感染症治療に再生医療はどう貢献することができるか」という記事を読んで学んだことについてをアウトプットします。

再生医療と聞くと、失った臓器を再生させるための医療と思いますが、実は様々な分野に対しても貢献することができます。
そもそも再生医療自体が応用系の研究分野なので、色々なバックグラウンドの分野から参入している研究者が多く、その分野だけ広がりがあると捉えると良いかもしれません。

その一つとして、近年大きな話題になっている「感染症」についても再生医療の研究から得られた知見は役に立つものが多いとのことです。

具体的には、

  • 間葉系幹細胞などを用いた細胞療法
  • ES・iPS細胞を用いた薬剤のスクリーニング
  • オルガノイドを用いた感染メカニズムの解明

などが現在注目されているとのこと。

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2020年のとある感染症研究の動向

2020年は重大な感染症によって、世界中が危機を乗り越えるために立ち向かい、2021年となった今もその状況は変わりません。
その中で、特定の感染症に関する論文が2020年に3000件ぐらい出ているとのことです。

感染症拡大防止のため、観光業や飲食業をはじめ、様々な業界で活動制限せざるを得ない状況になっています。
大学や研究機関、病院も活動制限がかかっているところもあり、再生医療の研究にも影響を与えているとのことです。

感染拡大防止も重要ではありますが、感染を乗り越えるための治療方法などの確立も重要な対策の一つです。

そんな中、感染症対策・研究に注力するために再生医療の研究を一度止めた方が良いのでしょうか?
そんなことはなくて、再生医療の研究から得られた知見も、感染症の治療のために貢献できることはあるとのことです。

それが下記の2つとのこと。

  • 細胞療法
  • 細胞・組織を用いた治療薬の開発

肺の感染症に対する再生医療の関わり

肺の感染症の治療のために使われている再生医療の知見とは何でしょうか?

その一つが、細胞療法による感染症肺炎の制御を行う試みです。
間葉系幹細胞を投与することによって、肺炎の治療を行うことができるのではないか?ということで研究を進めているとのことです。

間葉系幹細胞は免疫調整作用を持っていることで、

  • 抗炎症作用
  • 治療の安全性

などが研究によって明らかになってきており、感染症の治療法の一つになる可能性を秘めているそうです。

間葉系幹細胞はES細胞やiPS細胞に比べ、安全性が高いとも言われています。
新しい治療方法の開発には安全性の確保が必須条件なので、これまで時間をかけて間葉系幹細胞の安全性について確認してきたことは、まさに再生医療の研究の知見の一つであると思います。

感染症の解明や治療薬の開発について

近年の研究では、再生医療の知見を使って、感染症の解明や治療薬の開発の研究も進められています。

例えば、ヒトiPS細胞から肺組織を作って、ウイルスの感染様式の解明をするという研究があります。

その一つが、ES細胞やiPS細胞を用いて肺オルガノイドを作る研究です。
この研究では、肺オルガノイドは実際の人の肺の一部の構造・機能を再現しているため、ウイルス・微生物などの感染モデルであったり、薬の応答のモデルとして有用な系なのではないか?ということが述べられています。(参考文献:PubMed

もう一つは、ヒトiPS細胞由来肺細胞を用いた薬効評価を行う研究です。
これはヒト細胞、組織を生体外で用意し、スクリーニングした化合物が本当に効くのかどうかをin vitroで評価できるか確認しています。
12000種類の化合物の中から、ウイルスの複製を阻害するものを探し出して、iPS細胞から分化誘導した肺細胞や肺組織を使って評価すると、そのうちの数種類の化合物で、細胞・組織内でウイルスの複製を抑制する作用が確認できたとのことです。(参考文献:PubMed

動物細胞や動物実験ではヒトと発現しているタンパク質が全然違っていたりするとのことで、正確な薬効評価など行うのは難しいと言われていますが、ヒト由来の細胞を使うことができれば、いくばくかは正確性が増すのかなと思います。

再生医療も感染症研究に貢献することができるよということ

再生医療と聞くと、失われた臓器を再生することが目的と思うけれど、想像しているよりも広い分野にまで広がっています。

上記の例のように、再生医療は感染症に対しても貢献できることがあるとのことでした。

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思ったこととか考えたこととか

再生医療の可能性と課題

この記事を読んで改めて、再生医療は様々な分野に広く使うことができるなと感じました。
とは言っても、再生医療はよく創薬とセットで考えられることもあるので、感染症に対して特別という訳でもないですが。

参考記事では、2つの細胞や組織を使った薬効評価やスクリーニングについての論文を取り上げており、ある程度は薬の効果の確認はヒトES・iPS細胞などでもできるようになってきているようです。

ただ実際にiPS細胞などの幹細胞から作った細胞やオルガノイドで正確に評価を行うことができるかというのは、実はまだまだこれからなところだと思います。
理由としては、幹細胞から分化誘導して作製した細胞はまだまだ、細胞として未熟な状態にあるからということ。
未熟というのは、発生の途中であったり、胎児の頃の状態に近い状態で、細胞としてまだまだ構造や機能が十分に発現していない状態のことです。(参考文献:J-Stage

現在の分化誘導や組織作製の分野では、この未熟な細胞の状態をいかに成熟させるかということに取り組んでいる研究が多いように感じます。

また、再現性についても課題があり、分化誘導したロットや、分化誘導元の細胞株が異なると、同じような薬剤応答が起こらないこともしばしばあるそうです。
細胞単体でもそのような状態なので、オルガノイドなどの複雑な系になればなるほどそのばらつきは大きくなるのではないかと予想しています。

ここをどうにかしないと、スクリーニングや薬効評価の結果が信頼に値するものでなくなってしまうので、超えなければいけない大きな一つの壁だと思います。

とは言っても、人間一人一人全然違う個体で、薬の効き方も個人差があるし、同じ人でもコンディションによって薬の効き方が変わることもあるそうです。
このようにばらついているヒトに対しての薬を開発するのに、そのためのスクリーニングで使う細胞が、ロット差や個体差が全くない状態というのは評価として正しいものなの?という疑問が個人的にあったりします。

今の世の中と研究との向き合い方について考える

本記事で紹介した再生医療は感染症研究にも貢献することができるので、パンデミックな状況下でも歩みを止めるべきではないとのことでした。

これは再生医療だけでなく、研究は様々な分野が繋がって切ってもきれない関係なので、そもそも研究自体どれも止めるべきではないのかなとも思います。

そして、研究は未来に対する知識や技術の投資だと思うので、今の状況を乗り越えるためにも、乗り越えた先で健全に平和に人々が歩んで行くためにも、研究は切ってはいけないことの一つなのかなと感じます。

とは言っても命あってのものだねですし、状況を無視していつも通り研究をして全滅しても元も子もないので、何事もバランスというのが大事ですね。
そしてそのバランスを取ることが一番難しいと思います。

とにかく自分でできる対策をちゃんとしながら、頑張って研究を進めるしかないでしょうね。誰かが何とかしてくれることなんてほとんどないですからね。
研究だけでなく多くの業種の人がそれぞれの戦いをして乗り越えようと頑張っているので、不誠実なことや迷惑をかけることはしないように生活していきたいなと思う今日この頃ですね。

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