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博士課程の生活費をどうするか【学術振興会特別研究員について解説】

Science Memo
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学術振興会特別研究員という、博士課程の学生を援助する制度があります。博士課程の皆さんや、これから博士課程に進学したいという方の悩みの多くである、+3年間の学費と生活費を解決する一つの手段を解説します。

今回紹介する学術振興会特別研究員で、得られる恩恵としては

  • 月20万円の生活費
  • 年100万円程度の研究費
  • 授業料免除(もらえるかも)
  • 奨学金の返還免除(もらえるかも)

といったところでしょうか。

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学術振興会特別研究員ってなに?

まず、独立財団法人の学術振興会(学振)という団体があります。学術振興会特別研究員とは、この団体が認めた特別な研究員の事です。

何をしているところかというと、文部科学省に属する機関で、研究を行うためのお金を支給したり、優秀な研究者の育成を行うところです。(あやしいところではないですよ!)

一番有名なものとしては、科学研究費助成事業(科研費)ではないでしょうか。科研費は研究者が◯◯の研究がしたいと申請書を書いて、審査を受けて、認められると、年間数百万円から数千万円の研究費を数年間支給してもらうことができます。

研究者として生きていきたいなら、このお金をいかにもらうことができるかが一つの能力として問われています。

学術振興会特別研究員は、この学術振興会の事業の一つで、将来活躍するような若手の研究者の育成を行うためのものです。

対象は博士課程入学前に申請するDC1博士課程の間に申請するDC2博士号取得後に申請できるPD(SPDというのもあります)といったものがあります。

どれも毎月の生活費と研究費が支給されます。

  • DC1 毎月20万円の生活費 毎年約100万円の研究費
  • DC2 毎月20万円の生活費 毎年約100万円の研究費
  • PD 毎月36万円の生活費 毎年約300万円の研究費

(余談ですが、残念なことに、この生活費分のお金は奨励費という扱いですががっつり所得税が引かれます。また学振とは雇用関係にないため、国民健康保険とかのお金もここから出さなければいけません。ちょっとひどいですね。)

まぁ、企業に就職するより少ない額ですが、何ももらえない状況に比べれば、あまり贅沢もいえないところでしょうか。ありがたい限りですね!
(こういうところが日本をブラック化させているのかもしれませんね)

要約すると、学術振興会特別研究員は、学術振興会が「これからの将来で活躍してくれそう」と期待している研究員ということですね。(パトロンになるから頑張ってね!という感じでしょうか)
ちなみに活動場所は自分が今所属している研究室になるので、自分の研究に取り組みながらお金をもらえるという感じになります。

また、親の扶養を離れた独立経済扱いとなるので、授業料免除が受けやすくなります。大学によっては率先して授業料免除してくれるところもあるそうです。

あとは、奨学金の返還免除の業績項目に学振特別研究員に採用されることが含まれているので、恩恵を受けることができそうです。

学振特別研究員になるために必要なこと

上記で、学術振興会が期待を寄せる研究員ということがわかりました。
では、どうしたら学振特別研究員になることができるのか、解説していきます。

まず、期待を寄せてもらうためには何をしないといけないでしょうか?

自分のことを知ってもらう必要がありますね。

というわけで、下記のページに記載されている申請書というものを書きます。

日本学術振興会 特別研究員 申請書等様式

募集要項(PD・DC2・DC1)
日本学術振興会のページです。

この申請書に

  • 現在までの研究状況
  • これからの研究計画(背景、目的、内容、特色、独創的な点、年次計画など)
  • 研究成果
  • 研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等

を書いて、応募することで、審査を受けます。(DCの場合)

この申請書の出来次第で、圧倒的に期待してもらえた場合は書類のみで合格となります。また、書類で合格点にギリギリ達していないひとは、面接に呼ばれ、そこで審査員にときめいてもらうことができれば追加で合格となります。

まとめると

申請書書く → 応募する → 審査受ける

だけですね。非常にシンプルです。
細かく見ると実は大変ですが、就職活動に比べれば圧倒的に楽なんじゃないでしょうか。

特別研究員の倍率はどれぐらいなのか

2−3年間の私生活と研究生活を補助してもらえる制度ですが、やはり倍率が気になるところですね。

下記にここ数年の採用率が掲載されています。

DCを見てみるとだいたい採用率が毎年20%ぐらいでしょうか。
割と狭き門ですね。

こういったこともあり、若手研究者の登竜門とも言われていたりもします。
いかに他の人よりも魅力的な申請書が書けるのか。業績を出すことができているのか。ということですね。

ちなみに、噂程度の情報ですが、DC1は一般的には修士課程2年生の5月ぐらいに提出になるので、実は論文などの業績はあまり問われないと言われていたりします。その段階で論文が書ける人は、神レベルで優秀か、教授がしっかりしているのでしょう。ですので業績に自信がない人はぜひDC1で圧倒的に魅力的な研究を提案して勝ち取りましょう。

DC2は残念ながら博士課程のどの段階でも書けるので業績が問われるそうです。
私も1年目は業績が足りず落ちましたが、翌年に論文がある状態で挑んだらいけました。

この世は業績でできている。(過言ですね)

倍率にビビって諦めて出さない人とかもたまにいますが、私は絶対に出した方が良いと思います。
当たれば儲けものですし、当たらなくても、申請書に対する評価が帰ってくるので(申請者中のどの辺りにいるか)自分の今の実力を確認するのに非常に役にたちます。

また、1回出せば慣れるので次の年にチャレンジするのが楽になるでしょう。
0→1は非常にしんどいけれど、1→2以降はどんどん楽になります。

さらに、特別研究員に採用されると職歴にかけたりするので(雇用関係ないのに)周りからの評価も上がるので、卒業後の進路選択が少し楽になりますね。

まとめ「学振研究員はメリットがおおいですよ」

博士課程に進学したいけど学費が不安という方へ。また、研究の道に進みたいという方へ。

学術振興会特別研究員に採用されて、生活費と研究費と職歴を入手して、博士課程の難易度を少し下げてみるという選択肢はどうでしょう。

他にもリーディングプログラムといったものがあったりするので、興味のある方はそちらの方なども調べてみてもいいかもしれません。

余談ですが、すでに自分で副業的な感じで稼いでる方は、学振特別研究員は取らない方が良いと思います。学振特別研究員は基本的には副業が認められていないので。
自分で稼ぐ能力を身につけるのも一つの手ですね。
私はそうしておけばよかったと若干後悔しています。

後日、申請書の書き方のポイントをメモしていきたいと思います。(一度不採用で、翌年に問題を洗い出し、改善することで、書類一発採用だったので、それなりに有益な情報を提供できるかもしれません)

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