研究で取扱説明書を読む習慣【3つのメリット】

皆さんは実験を行うとき、先輩から引き継いだ実験方法をそのまま使用していませんか?

本記事では、身の回りで、意外と取扱説明書を読まずに使用している人が多く、読んで受ける恩恵と、読まずにいるデメリットについて考察してみました。
私自身、研究を始めたばかりの頃、先輩に教わった方法で試薬を扱っていたら、実は取扱説明書とは全く違う方法、つまり間違えた使い方をしていてとても怒られた苦い経験があります。

研究をする上で、その方法が正しいかどうか確認をすることは大切です。
そして、その一歩が取扱説明書だと思います。

読むメリット、読まないデメリットは下記の項目だと考えました。

取扱説明書を読むメリット3つ

  • 取扱説明書は現場で最も使える教科書
  • 装置・試薬・材料の正しい使い方を学べる
  • 研究のアイディアに繋がる

読まない大きなデメリット2つ

  • 故障、浪費による損失
  • 研究の破綻(最悪論文撤回)

それでは詳しく見ていきましょう。

取説を読む3つのメリット

取扱説明書は現場で最も使える教科書

取扱説明書には原理が書いてあるものが結構あります。
測定装置であれば、どのような原理、法則、式を使って測定しているのか。
試薬には成分は何か、その特性はどのようなものか、その原理はどのようなものなのか。
材料では組成、特性はもちろん、それををどのように評価したのか。
など様々な根幹的な情報が記載されています。

正直これを教科書で学んで膨大な情報の中から、自分が使うものをピックアップすることは難しいでしょう。
しかし、取扱説明書で学んだピンポイントの情報を、教科書から学んだ情報に結びつけることは非常に簡単です。
むしろ実験で実際に使用することなので知識の定着に大いに役に立ってくれます。

装置・試薬・材料の正しい使い方を学べる

これは本当に重要なポイントだと思います。
先輩や教員から教えてもらった情報だけで実験をしていませんか?
意外と間違った使い方をしている人が多いです。その人が間違ったのか、その人も間違いを引き継いだままなのかはわかりません。なので、自分の番で断ち切りましょう。

特に、理論はあってるはずだけど実験結果が全然違うのが出てくる。というときは、装置の使用方法、条件設定方法、測定方法や試薬の保存方法、使用方法、条件設定を確認すると簡単に解決できる可能性が高いです。

それでも解決しないときは、その実験結果は「発見」だと思うので大事にしましょう。

研究のアイディアに繋がる

研究のアイディアを生み出すためには基礎的な知識が非常に重要です。
論理的な思考に基づいた閃きとただの思いつきは雲泥の差があると考えます。
後者に価値がないとは言いませんが、前者の方が研究遂行に当たる能力が非常に高いと言えるのではないでしょうか。

一つの例として、論文を書くなど、結果をまとめるに当たってそのままを書けばよいのと、思いつきの辻褄を合わせるのではどちらが楽でしょう?

このような能力を身につけるに当たって、研究の基礎的な知識を学ぶことができるような取扱説明書は非常に大切だと思います。

さらに、取扱説明書には、参考となる実験方法とその結果、その装置や試薬を用いて行なった文献が記載されています。
このようなところから、研究の視野を広げて行くことによってアイディアを生み出すための基礎力をつけていきましょう。
地味ですが、大切な小さな一歩だと思います。

取説を読まない2つのデメリット

故障、浪費による損失

装置・試薬・材料はその施設の資産です。自分のものではありません。

正しい使い方をせずに無駄に浪費することはどんなものであれ、その施設の損失になります。
特に高価な機器であれば、共同使用の機器であることが多いため、誤った使い方で故障させると多くの人に被害を与えてしまいます。
研究室単位でも同様です。いくら日頃の恨みがあっても、教授が苦労して集めたお金で購入した機器を壊すのは教授だけでなく、研究室としての損失になります。
あなたはその装置と、これからラボメンが出すはずだった研究データの責任を取れるでしょうか?

試薬や材料も普段何気なく使用している人が多いですが、バイオ系では数滴で数十万円という試薬もざらにあります。
それを誤った使用方法で無駄にするほど悲しいことはありませんね。
裕福な研究室だからまた買えばいいと許されるというわけではないと思います。研究機器・試薬は国からの研究費(元は国民の税金)や企業からのお金がほとんどです。自分のものではないということをしっかり知った上で、取扱説明書を読んで正しい使い方をしましょう。

研究の破綻(最悪論文撤回)

これが最も悲しい結末だと思います。
間違った使用方法で結果が出ないだけだと、困った程度で済みます。
しかし、結果が出てしまって、その内容でまとめて、後に再現性が取れないということが起こる可能性は決してゼロではありません。
もしそうなってしまった場合、発表や論文は撤回になってしまいます。もっと酷いと捏造を疑われて、信用が地に落ちてしまうことがあります。
こうなると研究者として生きていくハードルがめちゃくちゃ上がってしまします。

滅多に起こるような悲劇ではありませんが、絶対に起こらないという保証はないので、自身で勉強して起こらないように細心の注意を払うしかありません。

まとめ

以上が、取扱説明書をしっかり読んで研究をするメリット3つ

  • 取扱説明書は現場で最も使える教科書
  • 装置・試薬・材料の正しい使い方を学べる
  • 研究のアイディアに繋がる

読まない大きなデメリット2つ

  • 故障、浪費による損失
  • 研究の破綻(最悪論文撤回)

でした。
たかが取扱説明書、されど取扱説明書です。
誰もが読めて、基礎的な知識を身につける上で最適な教科書だと思うので、普段読まずに研究をしている人は一度自分で読んで、再確認してみてはいかがでしょうか。

よい研究ライフを!

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