本記事は「科学のメモ帳【Weekly report】」という、企業で研究者として働いている自分が学んだことや感じたこと、出会ったものを週間日記として記録していく企画です。
今回の報告内容は
- 今週の進捗
- 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』から学ぶ、人間の歪んだ評価能力
ということで、
【2022年7月25日〜】科学のメモ帳【Weekly report 5】
アウトプットしていきます。
今週の進捗
社内でちょっとしたイベントを控えており、そのための準備に時間を取られていた一週間でした。
また、仕事もなかなか佳境を迎えていてそれも合わせてプライベートが侵食されていました。
その中でも、J検活用試験1級の勉強と筋トレを欠かさなかったのは、自分を褒めてあげたいですね。
今週は先週に引き続き、残りの過去問をやりきり、全体の総復習を開始しました。
過去問結果 | 正答数 | 正答率 |
平成30年度前期 | 40/47 | 85% |
平成29年度後期 | 47/48 | 98% |
平成29年度前期 | 43/46 | 93% |
だいぶ1と0(2進数)とも仲良くなることができてきました。
初めは「なんとなくこういうものなんだ」とうっすらと把握していたものが、数をこなすうちに理解が進み、解像度が高まったように感じました。
改めて、質は量によって高まるものだと実感しました。
睡眠時間がやや犠牲になっており、無理をすると何もできなくなってしまう上に、仕事のパフォーマンスが落ちるので、英語は今週と来週はお休みです。
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』から学ぶ人間の歪んだ評価能力
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている、ふろむだ 著、ダイヤモンド社
を読みました。
この本を読むことになったきっかけは下記のような感じで、
こんなツイートをした所、この本を教えていただきました。
専門家でもないのに、著名な人や肩書きや立場のある人の意見ばかりが評価されることにずっとモヤモヤしていました。
こういうのは言う方も言う方ですが、聞く側も聞く側で、よく考えれば専門家でもない人の意見なんてただの感想程度のものでしかないはずなのに、なぜそういった意見が取り上げられ、多くの評価を集めてしまうのかとても疑問でした。
この本では、人間が物事を評価する仕組みについて、下記のような多くの認知バイアスがかかっていることが解説されていました。
- 「ハロー効果」という、評価対象以外の特徴的印象が評価対象へ影響を与えてしまうこと
- 「少数の法則」という、少ない経験しかない結果でも、そこに成り立つ法則は正しいと思い込むこと
- 「後知恵バイアス」という、事象が起きたあとに「そうだと思った」と、予測可能であったと考えること
- 「利用可能性ヒューリスティック」という、脳がすぐに使うことができる情報のみを使って物事を判断すること。思い浮かばないことは無視するため、判断に必要な情報が欠落していても気づけない。
- 「感情的ヒューリスティック」という、好きなものは多くのメリットを感じ、嫌いなものは多くのデメリットを感じること
- すべての情報よりも、偏った情報のほうが魅力的で正しく感じること
などなど、人間が評価するとき、想像以上に様々な認知バイアスがかかってしまっていることを知ることができました。
ここまで来ると、一種のバグを抱えているようなものだと感じます。
そして厄介なことは、これらのバイアスがかかっていることは自分ではなかなか気づくことができないそうです。
こういったバイアスにとらわれないような訓練をしている研究者であっても、この呪いがかかっていることも解説されており、なかなか強いバグだと感じました。
評価して判断する能力は人生を左右するほど大きな影響を与えるものですが、この本曰く、これらのバイアスは啓蒙したところで、治すことができないそうです。
その理由は、自分でそのバイアスに陥っていることを認識できないためだとか。
つまりどれだけ真っ当に何かをやっていたとしても、大多数の人からは正しく評価されることはほとんどないということですね。
冷静に中身を見て、精査して正しく判断するなんて面倒くさいことをする人はほとんどいないそうです。
そういう人間たちの中で上手く生きるために、この人間のバグを逆手に取って、自分の評価を上げる方法が解説されており、大変参考になりました。
この本を読んで、人間の評価のバグを理解して
- 自分も周りもバイアスにまみれた判断をしていることを理解して、自分の大事な決断だけはバイアスの影響を少なくすること
- このバイアスを理解して立ち回ることで、人生をイージーモードにすること
が重要なようです。
この本が全てではありませんが、各バイアスについて軽く調べてみても、やはり学問として研究対象になるぐらいのテーマであるということは、世間からこの課題がなくなることはないのだろうと思うと、諦めがついてスッキリできたような気がしました。
まとめ
以上、【2022年7月25日〜】科学のメモ帳【Weekly report 5】でした。
5回目の記事でした。
とても忙しい週で8/4(木)深夜という次の週の終わり頃の投稿になりましたが、なんとかまだ継続できています。
来週は持ち直したい所ですね。
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