本記事では、日々大量に溜まっていく論文の管理方法、ファイル名の付け方について、私が試して非常に快適になったことについてアウトプットします。
その方法とは、
- 論文はiCloudなどのオンラインストレージに保存
- ファイル名は「著者名キーワード雑誌名_年」
と管理すると非常に捗るというものでした。
さらに本記事では+αの情報として、論文執筆に使える「文献管理ソフト」についてもアウトプットします。
論文管理の大切さ
論文を管理する目的
研究をするにあたって論文管理は非常に大切ですね。
その理由は
- 自分がわからなくなったときにすぐ引っ張り出せる。
- 誰かと議論したときに証拠の提示をすぐにする。
ということを過去記事でアウトプットしました。
そのために、iPadなどのタブレットといったハードウェアは非常に便利なのですが、すぐに引き出すための管理方法も同じくらい大事ですね。
私がやっていた論文管理法
その管理方法について、私はこれまで
- 論文ファイル名は「キーワード+タイトル」
- PCのファイル+iPadのファイル管理アプリ「Documents」
- 保存日順で並べ、いつ頃読んだのかは覚えているのでそれを元に引っ張りだす
- 読むときはiPadの「GoodNote」、論文ノートは「OneNote」を利用
ただこの方法だとPCとiPadの同期が非常にめんどくさいということが欠点でした。
そこで、iCloudでまとめて保存して同期の手間を大幅に減らすことを試みました。
ただ、iCloudに論文のファイルを移行するときにファイル名を「キーワード+タイトル」にしているとファイルパス(ファイルの住所のようなもの)がエラーを起こし、iCloudに移した論文が開けないし消せないしという不慮の事故に会いました。
そこで、これを機にファイル名の見直し、管理方法の見直しに取り組みました。
論文管理をフォルダで快適にする方法
ファイル名について
ファイル名については「著者名_キーワード_雑誌名_年」に全て変えました。
この理由は
- プレゼンなどで使用する引用文献の最低限の表記方法「著者名+雑誌名+年」をベースにした
- キーワードは入れたい
- 著者名とキーワードのリンクで頭にインプットしたい
- 「年」を最後に置いて後ろから見やすくしたい
ということが挙げられます。
この方法に変えたメリットは下記の3つです
- ファイル名が短くなった
- 「誰が」「どこで」「いつ」発表したのかを意識できる
- スタイルが揃っているので見やすくなり、見つけ出しやすくなった
twitterで下記のように呟いてみたら色々コメントをいただいてとっても良い情報がたくさん得られました。
これまで、論文PDFを「キーワード+タイトル」で管理していましたが、長すぎてiCloudでバグったので「第1著者+キーワード+雑誌+年」に変更してみました。
実際にスライドで引用するときと同様の形式かつ「誰が」「どの雑誌に」「いつ」発表したかを意識できるようになるので結構しっくりきてます。
この方法の良いところとして、「誰が」「どこで」「いつ」発表したのかを意識できるという大切なメリットはそのままに、それぞれの人のこだわりに合わせて自由に並びを変えることができます。
「キーワード」を最後に置いたり、「年」を最初において年代でソートしたりする人もいました。
人に合わせて柔軟にできるのは結構良いことだと思っています。
iCloudなどのオンラインストレージで管理
iCloudなどのオンラインストレージで管理するメリットは下記の2つです
- Mac、Windows関係なくPC、タブレットからアクセスできる。
- iPadで論文読むときに相性とても良い
私はMacBook Pro、iPad、iPhone、Windows PCを使用しており、ややMacがメインよりなので、iCloudが非常に相性がよく、WindowsPCからもアクセスできるということでiCloudを使用しています。
普段使用しているフォルダーと同じように使用できて、Dropboxのように台数制限もなく、という感じで非常に満足しています。
ただ、クラウドサービスについてはGoogleドライブ、Oneドライブなどなど様々あるので、ここは自分にあったものに使うと良いと思います。
フォルダー管理するデメリット
無料で、その人に合わせて管理できる方法としてフォルダーは良いですが、欠点が一つ。
論文を書くときの引用文献の管理が大変
ということが挙げられます。
これについてもラボやtwitterで情報をいただいたのでアウトプットします。
文献管理ソフトの紹介
論文管理ソフトとして下記の3つが有名とのこと。
- EndNote
- EndNote Basic
- Mendeley
これらのソフトの主な機能としては下記の機能があります。
- データベース構築
- オンラインで共有でき、どの端末からでもアクセス可能
- 論文執筆の時の引用文献管理
上記で紹介したフォルダーでの管理とは異なり、論文を管理、使用するために作られたサービスなのでかなり洗練されています。
これらはあくまでも「サービス」なので、無料では制限があること、恩恵を最大限に受けるためには少し高額な料金がかかるということを押さえておく必要があります。
ただ、論文を書くことが仕事の人にはそれだけ投資する価値がるとのことなので、是非検討してみてはいかがでしょうか。私も現在検討してます!
EndNote
おそらく文献管理ツール最強のソフトだと思います。
- 論文のファイルを読み込んで自動で情報を読み込んでデータベースを簡単に構築
- 論文執筆の時に引用文献の管理・雑誌に合わせた表記スタイルの豊富さ
- PCやタブレットなど複数端末でリンクできる
- 容量制限無し
- 文献管理ソフトの中でも最も多機能
ということだそうです。
ただし、値段が非常に高いです。
よし買おう!と思い立って即決できるような価格ではないですね…
また、2年ほどで更新があるそうで、更新しないと容量無制限の恩恵が受けられないということもデメリットだと思います。
ただ、利用している人からは、論文を執筆する人にとってはこれ以上ないほどの恩恵を受けることができるとのことなので、読む人はいらないかもしれませんが、書く人は検討する価値は大いにありです。
また、大学で契約していると大学所属中は無料で使用できるので、是非自分の大学は契約しているかどうか調べてみてはいかがでしょうか。
安く購入する方法として、EndNoteの本社(Clarivate Analytics)から購入すると安く変えるそうです。価格はなんと$249.95 (¥27,000ぐらい、学生は半額以下)と超格安で入手できます。ただし、日本のクレジットカードで購入できないところが難点です。
日本で安く買う方法としては、Amazonで並行輸入版を購入することで¥37,800で購入できるそうです。(学生は¥20,650)
一応海外版なのですが、もともと英語仕様 (日本語が使えない) なので、変わらないのと、調べた限りだと更新も問題なくできるそうです。ただ、不具合など生じた際の日本語サポートが受けられないといったデメリットもあります。
そのデメリットでも大丈夫であれば、日本で購入する時はこれが最も安い方法だと思います。
EndNote Basic
上記のEndNoteと同じ名前ですが、無料で機能が絞られたモノになっています。
- Webアプリである。(PCなどにダウンロードできない)
- 論文情報を読み込んでデータベース化
- PCやタブレットで使用可能
- 論文執筆の時に引用文献を管理
- 無料で利用できる
- 容量2GBまで
- 引用文献のスタイルは約20種類と少ない
無料で使用できるので導入のしやすさが売りですね。
論文執筆の頻度が少なくEndNoteの恩恵を価格以上に感じないという方なんかはこちらの方を選択した方がおすすめだと思います。
Mendeley
EndNoteと対を成して有名なのがMendeleyです。
- 論文情報を読み込んでデータベース化
- PCやタブレットで使用可能
- 論文執筆の時に引用文献を管理
- 無料で利用できる
- 引用文献のスタイルは有料版EndNoteと同じくらい使用可能
- 容量2GBまで(有料版で増やせる)
無料版文献管理ツールと言えばこれというぐらいの機能がありますね。
無料版なので容量制限があります。しかし、大学によっては機関版という有料版を契約しているところがあるので、その時は無料ながら無制限の恩恵を受けることができます。
また、機関版を契約しているところに属していない人でも、有料版へのアップグレードが可能です。
価格は下記の通りです。
PDFファイルで10GB超える人はどれだけいるかわかりませんが、大抵の人は500〜1000円/月ぐらいの出費になります。
EndNoteが2年で更新ということを考慮すると、Mendeleyは2年間で12,000〜24,000円の出費になるので、容量がそこまで多くないけど2GB超えてるよという方はMendeleyが良いのかなと思います。
学生はEndNote学生版をAmazonで並行輸入のものを購入するのが良さそうです。
まとめ
以上が論文管理を楽にするファイル名の付け方【論文管理ソフトも紹介】についてのアウトプットでした。
論文はiCloudなどのオンラインストレージに保存し、「著者名キーワード雑誌名_年」で管理すると、どの端末からでもいつでもどこでも引っ張り出せて良いこと。
誰がどこでいつ発表したのかを常に意識できるというものでした。
また、論文を書く人、データベース化したい人は文献管理ソフトであるEndNoteやMendeleyを導入することでより快適になります。
私も今更ながら現在導入を検討中で、EndNote有料版かMendeley有料版を導入予定です。
導入した際にはアウトプットしますね。
良い論文ライフを!
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