バイオ系研究室配属後の勉強方法のメモ【エッセンシャル細胞生物学が相棒】

Science Memo
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本記事では、バイオ系の研究室に配属された時にすると研究生活がかなり快適になる勉強方法について、実際に私が取り組んでいたことをアウトプットします。

研究室に配属されたとき、何をどのように勉強したらいいの?

という疑問の参考になれば幸いです。

私が実践したのは下記の3つです。

  • Essential(エッセンシャル)細胞生物学(基礎の教科書)をとにかく読み込む
  • 学会に行って最先端を知る。応用的な知識を学ぶ。
  • 試薬の取扱説明書を読んで原理を学ぶ。

これだけやれば、仮に指導がまともに受けられなくても、自分でテーマを立てて、学会発表十数件、受賞数件ぐらいできるほどの基礎能力が身につけられると思います。

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研究で必要な勉強はテスト勉強と少し違う

勉強と聞くといわゆる「テスト勉強」を想像する人が多いと思います。
ただし、研究で実際に使う知識の勉強は「普通のテスト勉強」とは少し異なる点に注意する必要があります。

それは、「テスト勉強は答えがある問題を解くための勉強」に対して、「研究の勉強は答えがわからない問題の答えを見つけるための勉強」になります。

具体的には与えられた問題に対する解答を答えるのではなく、「今ある知識」を基にして推測・検証できる応用力が必要なのかなと思います。
とはいえ、全部覚えている暇はないので、広大な範囲の中からどれだけ使える知識を身に付けることができるかが勝負ではないでしょうか。

Essential(エッセンシャル)細胞生物学(基礎の教科書)をとにかく読み込む

まず最も大切なのは、基礎の知識を網羅的に叩き込むことだと思います。
つまり、基礎の全体像を解説してくれている教科書を用いた勉強がベストですね。
バイオ系の基礎の教科書といえば、「Essential(エッセンシャル)細胞生物学、南江堂」が有名でしょう。

Amazon.co.jp: Essential細胞生物学(原書第4版): 中村 桂子, 松原 謙一: 本
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これをとにかく読み込みます。
1回目は全体を流し読みし、2回目は熟読しながら例題を解き、3回目は忘れてるなというところを重点的に読むぐらいすれば、どこに何が書いてあるかをすぐに引けるようになると思います。

全て暗記できていればベストですが、そこが目的ではないので、忘れたら引けば良いだけですね。
ただし、忘れた時に、それがどこに書いてあるかぐらいは覚えておいた方が良いです。

研究でわからないことがあった時に、似たことが参考書のどこに書いてあるのかをすぐに引き出せることが大事だと思います。
暗記力より検索力というのはよく言われていますが、まさに研究でも大事な能力だと思います。

「Essential(エッセンシャル)細胞生物学」で物足りなくなった人は「The cell 細胞の分子生物学、ニュートンプレス」を取り組むと良いと思います。
この本は教科書というより、辞書と言っても良いぐらいいつまででも使うことができる本です。

細胞の分子生物学 第6版 | ALBERTS, JOHNSON, LEWIS, MORGAN, RAFF, ROBERTS, WALTER, 中村桂子, 松原謙一, 青山聖子, 斉藤英裕, 滋賀陽子, 田口マミ子, 滝田郁子, 中塚公子, 羽田裕子, 船田晶子, 宮下悦子 |本 | 通販 | Amazon
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めちゃくちゃ分厚いので私は「自炊」して電子化し、iPadで文字検索を使って辞書のように使っています。
最近は電子版も発売されているので、購入するしかないですね。

学会に行って最先端を知る・応用的な知識を学ぶ

自分の発表がなくても1度は自分の分野の大きな学会に参加しましょう。
過去に学会についてアウトプットしていますが、実は学部生までなら参加費が無料の学会が結構たくさんあります。

学会に参加する一番のメリットは、教科書で知ることができない自分の分野の最先端のことを知ることです。
とは言っても、いきなり学会に参加してもおそらく理解できない人がほとんどでしょう。

学会に行って下記の2つの方法で勉強することで、最前線を学ぶことができます。

  • 聞いた発表でわからない単語をひたすらメモする
  • 基調講演やシンポジウムで偉い先生の発表から、引用文献を死ぬ気でメモをする。

要は単語と引用文献を死ぬ気でメモして、帰ってから意味を調べたり、文献を読むことで勉強します。

これらは教科書の基礎的な知識とは異なり、最前線で戦うための応用的な知識になります。
単語の意味を調べれば、教科書とリンクする内容もあります。そうなれば、基礎と応用の知識の結びつきも生まれます。
そして、なぜそれを使っているかということも理解することができるようになりいます。

論文を読むのは初めのうちは難しいですが、適当に渡された論文を読むより、自身が発表を聞いて苦労して引っぱってきた論文であれば多少は身が入ります。
何より、偉い先生の発表はその分野の歴史を要約しているものが多く、使用されている引用文献はその要点となるものが多いです。
なので、そうして引っぱってきた論文は重要なものが多いということなので、読んで損は絶対に無いとも言えるでしょう。

余力があれば、その発表を聞いた先生の名前と所属も覚えておいた方が良いです。
「◯◯大学の◇◇先生の××年の△△の研究」という感じで情報を扱うことが多いので、初めから癖をつけておくと後々楽になります。

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試薬の取扱説明書を読んで原理を学ぶ

これも過去記事で解説しています。

基本的に先輩や教官から教えてもらった情報は100のうち20~30ぐらいと思った方が良いです。
わざとそうしているからではなく、前提知識として省略してしまった部分、本人は説明する必要がないと思って省略した部分があるからです。

説明するときは「わかりやすく」が基本だと思いますが、「わかりやすい」というのは「情報を削ぎ落とした要点」と認識すると良いでしょう。
なので、他人から説明されたものをそのまま信じるのではなく、自分で調べて理解して自分の知識にするように心がけることが吉です。

さらに試薬には結構原理が解説されているものが多いです。
取扱説明書をちゃんと読んでおくことによって、実験を行う時になぜその操作を行うのか、気をつけるところはどこかなどを理解することができます。

例えば、とあるタンパク質を扱うとしましょう。

普段低分子を扱っている人で、溶媒に溶かす時にタンパク質を超音波をかけてしまう人がいますが、タンパク質は構造が壊れてしまうのでタブーとされています。

他にも、凍結したタンパク質の溶液を解凍してから再度凍結して保存する人もいます。これもタンパク質の構造が壊れてしまうので、凍結融解を繰り返すのはタブーとされています。

こういうことは、取扱説明書を読めばしっかり書いてあるものが多く、回避できることですね。

はじめに説明した、先輩や教官から教えてもらえる20程度の情報はこれらのことは当たり前すぎて省略されてしまうことがしばしばあります。

このようなことがあるので、実験の原理を理解するためにも、失敗しないためにも、自分で取扱説明書を読むことは研究を行うにあたって重要な勉強になります。

まとめ

以上が、バイオ系の研究室に配属された後にすると研究生活がかなり快適になる勉強方法について、実際に私が取り組んでいたことのアウトプットでした。

要点は下記の3つです。

  • Essential(エッセンシャル)細胞生物学(基礎の教科書)をとにかく読み込む
  • 学会に行って最先端を知る。応用的な知識を学ぶ。
  • 試薬の取扱説明書を読んで原理を学ぶ。

これを基礎として定着させることができれば、博士課程を乗り切るぐらいの土台はできているのでは無いかなと感じます。
研究室に配属したはいいけれど、どうやって研究のための勉強をしたら良いかわからないという方がいましたら参考にしてみてはいかがでしょうか。

それでは良い研究ライフを。

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