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研究が行き詰まったときの4つの問いかけ【無闇に手を動かさない】

Science Memo
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本記事では、「研究が行き詰まってしまってどうしたらいいか見失ってしまった」ときに、冷静さを取り戻し、研究で何をしなければいけないのか思い出させてくれる「4つの問いかけ」についてのお話です。

その4つの問いかけとは、

  • 何故それを行うのか考えてる?
  • 何も考えずにやってない?
  • 人から言われた事を思考停止でやってない?
  • 手を動かす事で満足してない?

になります。

私自身、研究に行き詰まった時は本当にどうしようもなかったのですが、この問いかけができるようになってから、行き詰まっても迷子状態から復帰してこれるようになりました。
その経験から、なぜ問いかけるか、問いかける内容はどうしたらいいのかについてアウトプットします。

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なぜ自分で問うのか

私自身、結果が出なくて焦った時に、ついつい研究の目的について忘れてとにかく実験しなきゃとなったこと。
とにかく結果を出す為に実験をむやみやたらし続け、目的を見失って迷子になっている後輩がいたこと。

こうなった時に、他人が諭してくれて大事なことを思い出させてくれると良いのですが、だいたいこんな状態のときは、「こんなに辛くて頑張っているのになんでそんなこというの?」と思ってしまう人もいます。
また、そもそも諭してもらえず、ずっと迷子になったままな人もいるでしょう。
そうならない為に、行き詰まってるなと思った時に「自分自身に問いかける」ことが大事だと思います。

研究を立て直す4つの問いかけ

  • 何故それを行うのか考えてる?
  • 何も考えずにやってない?
  • 人から言われた事を思考停止でやってない?
  • 手を動かす事で満足してない?

何故それを行うのか考えてる?

まず1つ目です。それ=「実験」ですね。
仮説を立てて、実際でそれを確かめる段階です。

研究の目的に対して、この実験を行う妥当性はどれだけあるでしょうか?

ここについては、過去記事でアウトプットしています。

自分が主張したいことに説得力を持たせる結果が出せる実験でしょうか?
ここについてこの問いに答えられないのであれば、実験を一度ストップ→目的を再確認→背景・課題を整理→行うべき実験について洗い出す必要があると思います。

無闇矢鱈に実験をしても、論文に使えない没データが増えるだけで、時間もお金も勿体無いですね。

何も考えずにやってない?

2つ目です。これは「実験のプロトコルの条件」に当たります。
実験を行うにあたり、試薬濃度、反応条件、培養時間、コントロールの置き方などなど、実験手法について様々な条件を設定する必要があります。

この条件設定、なぜその条件にしているか説明できますか?

研究室に伝わるのがそうだった、先輩がそうしていた、先行研究で使っていた。これは理由になりません。
自分で、原理を考えて、その条件が妥当である証拠を押さえておく必要があります。そのための「検討」です。「検討」と「実験」は私は違うと考えているので、混同しないように気をつける必要があると思います。
(検討=条件が妥当かの確認、実験=整えた条件で仮説を検証)

ここは、普通にできていない人も多いと思う部分であり、実験を左右する大事なところだと思うので、ぜひ問いかけ続けてみてはいかがでしょうか。

人から言われた事を思考停止でやってない?

3つ目ですが、そのテーマや「実験は教官や先輩からやってみては?」と言われたことなのか「自分で考えて納得したことなのか」ということです。
注意すべきは、他人の意見を無視して自分の思うがままに進めることではありません。

ディスカッション後、他人に言われたことを自分で咀嚼せずに実験していませんか?

おそらく、アドバイスしてもらったことについては、行うべき有意義な実験であることが多いです。ただ、その実験を行う意味を自分で納得できるぐらい、調べて、必要性の判断をしていますか?

もし、これを考えずに言われたことを言われたままにしていると、言われたAの実験がダメだった時に、次にBの実験を提示されるでしょう。BがダメだったCの実験…という感じで、あっちにいったりこっちにいったり振り回されてしまいます。
アドバイスする側に悪気はありませんが、全体を通して考え抜いている訳ではないので、間違ったことも言ってしまいます。しっかりと自分自身で制御する為にも言われたことを自分で咀嚼して、実行する必要の妥当性を判断しましょう。

手を動かす事で満足してない?

4つ目、最も大事だと思う問いです。

手を動かしているとついつい研究が進んでいると勘違いしてしまうことがあります。特に、朝から晩までひたすら手を動かして、疲労感もあるなかで充実感も感じることが多いでしょう。
ですが、上記までの3つの問いができていない中で手を動かしても、これっぽっちも研究は進みません。むしろ、必要かどうかわからないデータが生まれてしまい、それが必要無かった場合、お金も時間も無駄になります。
私はこのような手の動かし方を「実験したつもり」と読んでいます。
やってる本人はその時は実験していたと思っていても、後から振り返ってみたら何もしていなかったと同義になる訳です。

これほど最悪なことはないと思います。恥ずかしながら、私自身何度かこれをやってしまい、データ整理の際に、こんなことするくらいだったら休んで頭を休めてリフレッシュしてから、実験の必要性を確認していた方が、もっと少ない時間で結果が出ていたとさえ感じます。

そして、これを一番問うべきタイミングは、結果が出ていないくて焦っている時です。不安で仕方ない気持ちを、とにかく手を動かして、なんかデータが出てきているという感覚で紛らわしていることが多いからです。
ここで問いかけて、流れを断ち切らないと負の連鎖で精神的にかなりダメージがきてしまいます。

だからこそ、今一度、手を動かすことで満足していない?

と自分に問いかけてみてください。

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研究は実験だけではない

研究者はとにかく朝から晩までラボに引きこもって実験をしているイメージが強いですが、研究は実験だけでは成り立っていません。
研究の背景、課題を調べるための文献調査も大事ですし、どんな実験をするのかをひたすら考える時間も大切です。そして、実験内容についてディスカッションして洗練することも大切です。

これらのことができて、ようやく実験を行い、検証していくことが研究です。
もちろん実験も大事ですが、実験で手を動かすことは誰でもできます。生物系なんかは、最近はほぼキット化されてきており、誰でも練習すればできるようになると言われています。なので、実験をできるだけでは研究者にはなれませんね。技術補佐員と変わりません。実験を設計することができるところも含めて全てできてようやく研究者になれると私は考えています。
なので、本記事で述べた4つの問いは研究者として必要な能力を磨くための問いでもあると思います。

まとめ

本記事では、「研究が行き詰まってしまってどうしたらいいか見失ってしまった」ときに、迷子から復帰するための「4つの問いかけ」についてのアウトプットでした。

  • 何故それを行うのか考えてる?
  • 何も考えずにやってない?
  • 人から言われた事を思考停止でやってない?
  • 手を動かす事で満足してない?

私自身、研究で見失っても冷静になってやり直すだけでなく、研究者として必要な考え方も身につけられるのではないかなと考えています。
もちろん、私も一人前の研究者になるための修行の身なので、これができれば優秀な研究者になれると断言はできません。しかし、今、私の経験として大事だなと思うことには変わり無いので、もっと経験を積んで修正しつつ、研究者を目指していきたいと思います。

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