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論文の読解力をあげる3つのコツ【初心者向け】

Science Memo
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研究において、論文を読むというのは非常に重要なことです。
例えるなら3度の食事ぐらい大事です。
そして研究の攻略本ともいわれています。

しかし、研究室に配属されて間もなく、論文紹介で苦しむ方、配属してある程度だったけど、論文を読むのが苦手な方は多いのではないでしょうか。

今回はそんな方々に向けて、論文を簡単に理解するためのコツをアウトプットしていきます!

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論文の読解力を高める3つのコツ

論文の読解力を高めるコツは下記のたった3つだと思います。

  • 論文を読む目的をはっきりさせる
  • 読む順番が大事
  • 図を理解する

それでは詳しく確認していきます。

論文を読む目的をはっきりさせる

これは本を読むときと変わらないと思います。
論文に共通する目的として「この論文から何を知りたいのか?」になると思います。

手に取った以上、タイトルなどから、その論文がどのような情報を持っているかある程度推察できます。
当たり前だと思っているけれど、英語で書かれていることから読むのに必死になりすぎて目的を忘れていたり、読まなければいけないから読んでいるといった受け身な人が割と見受けられます。

具体的な対応方法として、「どの分野なのか」、「ターゲットは何か」、「何を明らかにしようとしているのか」ということを、1ページ目にメモしておくのが有効だと思います。

読む順番が大事

論文にはものすごくわかりやすい感じで「構成」というものがあります。

  • Title(タイトル)
  • Abstract(要約)
  • Introduction(背景と研究目的)
  • Materials & Methods(実験方法)
  • Results(結果)
  • Disucussion(考察)
  • Conclusion(結論)
  • Reference(引用文献)
  • Figure(図表)

この構成の中で、

 1. Title
 2. Abstract
 3. Figure
 4. Introduction
 5. Results
 6. Discussion
 7. Conclusion
 8. Materials&Methods

の順番で読みましょう。

やってしまいがちなこととして、最初から最後まで通して読む人が多いと思います。
しかし、論文を読む目的として、「この論文から何を知りたいのか?」ということを達成するためにはそれだと都合がよくありません。
なんなら、目的がすり替わって、ちゃんと論文を読むということが目的になっている人もいます。

次に各項目についての読むポイントをみていきましょう。

Title(タイトル)

タイトルはその論文を読もうと思って手に取った時にすでに目を通しているので良いでしょう。
タイトルの下にOthers(著者)たちと所属があるので、どこの誰の論文かぐらいは把握しておきましょう。

Abstract(要約)

要約は、論文に書かれている、「目的」「方法」「結果」が集約されています
Abstractを読むことによって論文の全体像をつかむことができます。

ここだけで、「この論文から何を知りたいのか?」という目的のほとんどが達成されます。

Figure(図表)

図表は論文の結果を示す上で最も重要な要素になります。
ということは図表さえ理解できてしまえば論文はほぼ読めたことになります。

とはいっても、図表をみただけで中身がわかる人はよほど経験と知識を積んだ人しかできないので、
初心者は、「この論文ではどのようなことをどれぐらいやっているのか」ということをぼんやりインプットするぐらいで良いでしょう。

Introduction(背景と研究目的)

ここでやっとイントロダクションです。
イントロダクションでは、

  1. 世界全体としての課題
  2. それに対する分野の対応
  3. 著者研究室での技術
  4. 本研究でどう解決するか

という段落構成で書かれているものがほとんどです。
ということは、上記の4つの項目を書き出せば、Introductionは理解できたことになります。

Results(結果)

Introductionを理解したところで、この論文では何を明らかにしたいかを理解できているはずです。
ということで、実際にどのような実験を行なって、どのような結果が得られたのかを淡々と読んでいきましょう。
基本的には「この実験をした」「その結果はこうだった」ということをメモしていけば良いかと思います。

Figureに目を通しているので、Resultsを読んでいくと「そういう意味なのか」と理解できるようになるはずです。

Disucussion(考察)

ここは、基本的に

  • 「◯◯の実験をして◯◯の結果が得られた」
  • 他の人たちの研究では◯◯の結果が得られている
  • つまりこういう解釈で良いだろう

ということが各実験項目ごとに書かれています。
つまり、各実験項目ごとに、「こういう解釈で良いだろう」ということを書き出すことができればDisucussionはOKということです。

Conclusion(結論)

結論は当たり前ですが結論が書いてあるだけなので、ただ読むだけで良いでしょう。

Materials & Methods(実験方法)

実験方法については、実験に使ったものや方法を詳細に書いてあるので、最後に確認程度で良いと思います。

図を理解する

上記の項目でも書いたように、図表が論文の結果を示す上で最も重要なものになります。

正直、図表だけみて内容を把握することができたら、本文はそこまで読まなくて良いといっても過言ではありません。
ただ、経験を積んでいない人には絶対に無理です。

とはいっても、少し時間をかければ、図表に書いてある内容は理解できると思います。

例えば、グラフの縦軸横軸を確認して、プロットされているデータはなんなのか、どのような推移を示しているのかということをつかむだけでも、その後のResultを読むときの理解度は段違いになります。

また、経験が浅い人などは、めったにみないような特殊なグラフに出会ったときは、遠慮なく知っている先輩や上司に聞いてみるのも良いでしょう。
大半の図表は、知っているか知らないかの世界で、知らないといくら考えても、時間ばかりが過ぎていくので、質問することも大事です。
(少しは調べるのもすごく重要ですよ!)

経験を積めば、自分の分野の論文ぐらいはAbstractとFigureを読むだけで論文のほとんどを推察できてしまうようになります。

論文の読解力をあげるコツまとめ

論文を読むときの読解力をあげる方法は

  • 論文を読む目的をはっきりさせる
  • 読む順番が大事
  • 図を理解する

の3つでした。

慣れないうちは時間がかかるのは仕方ありません。
たくさん数をこなして、慣れていくとどんどん読解力とスピードが上がってきますよ!
また、論文は基礎的なところは知ってる前提で書かれているので、基礎の勉強も怠ってはいけませんよ?

次回は論文を効率的に読むためのiPadとOneNoteを用いた論文ノートについてアウトプットしたいと思います。

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