本記事ではiPad Pro用MagicKeyboardについて、バイオ系研究者が実際に1ヶ月使ってみての
- 使い方
- メリット・デメリット
- どんな人に向いているのか
についてアウトプットします。
結論としては、
いつでもどこでもiPadだけで研究業務の多くをカバーしてくれる最高の一品でした。
(むしろものすごく高かったので最高でなければ困っていた)
インプット向きのデバイスだったiPadが、iPad Pro用MagicKeyboardによって、アウトプットもほぼ完璧にこなせるようになりました。
今までもキーボードは使えていましたが、キーボードと画面の手の行き来が本当に大変でした。(角度がついた画面を指で操作するのはなかなか辛いです。)
トラックパッドがついたことによって、ほぼ全て手元で完結することができるようになったのが非常に大きな恩恵です。
また、マグネットによって本体とキーボードの付け外しが簡単なため、
- 普段はMagicKeyboardを装着して
- 手書きや電子書籍はサッと外して
というように、場面に応じて快適に使うことができる点が個人的に最も気に入っている所です。
研究者としてのMagicKeyboardの使用例
これまで「iPad + SmartKeyboard」の組み合わせで使っていた私が「iPad + MagicKeyboard」の組み合わせになって、実際に使用する中で変わったところについてピックアップしていきます。
論文ノート
研究者として最もiPadを活用できるのが「論文を読む」だと思います。
私は下記の3つのアプリで論文などの情報収集を完結させています。
- 「iCloud」で文献管理
- 「GoodNotes」で読む+書き込む
- 「OneNote」で論文ノート
論文を効率的に読むためのノート術【iPad×OneNote】でアウトプットしているように、「OneNote」による論文ノートの作成を行っていますが、MagicKeyboardによってかなり捗るようになりました。
これまでは、論文ノートを手書きにしていましたが、検索精度の都合上、タイピングで行った方が良いという結論に至りました。
この時に、書き込んだ「GoodNotes」と「OneNote」を「Split Viwe」という2つのアプリを表示させる方法で並べて、「GoodNotes」で書き込んだ論文を見ながら「OneNote」に記憶しておきたいところを入力していきます。
タイピングしながらいちいち画面をタッチしてスクロール…という感じでやっていたのですが、手の行き来が想像以上に相当疲れるんですよね。
MagicKeyboardがあると、スクロールもタイピングも全てキーボード上で完結するのでとっても快適です。
思考の整理
思考の整理については主に「Xmind」というマインドマップアプリを使用しています。
- 研究について関連情報をまとめる
- 論文の骨格を作る
- 実験の計画、進め方を管理する
- ブログの執筆
などなど様々な使い方ができる個人的に神アプリです。
Xmindに記入すること自体は、方向キーがあれば十分なのですが、情報をまとめる時に大切な、参照元のURLなどをコピぺなどする作業があります。
角度がついた画面の目的の文のところをドラッグ・コピー・ペーストするのがかなりしんどかったのですが、こちらもMagicKeyboardのトラックパッドのおかげで非常に楽になりました。
文章作成
文章作成では主に「Googleドキュメント」で行っています。
これはもう言わずもがなタイピングしたり、フォント調整をしたりとMagicKeyboardが大活躍です。
ただし一つだけ不満点があって、文章の範囲選択がトラックパットに対応していないところです。
まあ、shift+方向キーで事足りるので大きな不満点ではないですね。
タスク管理
タスク管理は主に「Trello」というアプリを使用しています。
カード形式でタスクを作成、移動することができますが、MagicKeyboardでキーボードによる入力と、トラックパッドによるカード移動が全てキーボード上で行えるのが楽で良いですね。
予定管理
予定管理は「Googleカレンダー」を用いています。
予定だけでなく、「Trello」に入力したタスクを、時間制限を付けてGoogleカレンダーに入力していくことで、タスク+時間で管理できるのでとってもおすすめです。
毎日取り組んだことを記録して自分の行動を可視化できるのは効率化する上でかなり重要だと感じます。
この時に、MagicKeyboardで入力と予定の移動が全てキーボード上でできるのが楽です。
各タスクが終わった時に修正するのですが、常時iPadを開いておいて、ささっと入力・修正ができるのが非常に楽です。
という感じで使用しています。
もうお分かりかと思いますが、実際にMagicKeyboardを使用するなかで特に恩恵を受けている部分が、「全て手元で完結できる(キーボードと画面の移動が無い)」です。
この移動がなくなるだけで、作業効率がかなりアップしました。
というか、今までは面倒臭くてできていなかったことが、自然にできるようになっていたのでかなり大きいかなと思います。
この部分でときめく人がいたらその人はMagicKeyboardは買いだと思います。
逆に、ときめかない人はMagicKeyboardは合わないと思います。
iPadPro+MagicKeyboardの開封レビューでもアウトプットしましたが、企業所属になり、自分のPCを使うことができなくなったこともあり、iPadだけで上記の作業を快適にこなすことができるようになったのは本当に大きい進化だと感じます。
MagicKeyboardのメリット
全て手元で完結する
前の項目でも既に触れましたが、MagicKeyboardの最大のメリットはここに集約されるかと思います。
タイピングをしながら角度のついた画面を手を浮かせて狙ったところをタッチするのは、繰り返すとかなり疲れます。
また、スプレッドシートなんかの細かいレイアウトを操作するのも、指だと誤タッチがひどいなどで避けてきました。
それがキーボード+トラックパッドのMagicKeyboardだと、難なく手元だけで完結させられるので、これまで不向きで避けてきた操作などガンガンこなすことができます。
MagicKeyboardによって快適になっただけでなく、活用の幅が増えました。
打鍵感がとても良い
MagicKeyboardのキーボード部分は普通にデスクトップやノートパソコンで使われているキーボードと同じタイプ(シザー式)のものなので、打鍵しやすく、快適です。
なんだかんだ、この薄さでこの打鍵感を持っているキーボードは私の知る限りMagicKeyboardだけなので、キーボードでの入力を重視したい人にとっては革命的なキーボードだと感じます。
トラックパッドの感度が良い
言わずもがな、Appleのトラックパッドの良さは圧倒的な感度の良さと使い心地です。
iPad用MagicKeyboardも従来のMagic Trackpadと同様の使い心地でした。
マウスなど外付けのポインティングデバイスを試したところ、接続が不安定になることもあったり、持ち運びがめんどくさかったりモバイル機として気になる点がありました。
一方で、全てが手元の小さなスペースでこなせるMagicKeyboardはモバイル機としての魅力大です。
充電不要
MagicKeyboardはiPad本体から電力が供給されるので、キーボードの充電が必要ありません。
最近の外付けキーボードやマウスは電池持ちが良いので、そこまで頻繁に充電する必要がありませんが、まだ使えるだろうと油断していた時に充電が切れている悲しみが結構ありました。
そんな充電のことをいちいち考えなくてよくなるのはメリットだと感じます。
MagicKeyboardは本体から給電されるので、少々充電の減りが早くなるそうですが、体感的にそこまで大きな影響はなさそうです。
実際に使用していて、1日使う分には十分充電は持ちます。
荷物が最小限
これがMagicKeyboardを使う中でかなり大きなメリットだと個人的に感じます。
これまで、外付けキーボードやマウスをiPad+αとして持ち歩いていましたが、その+αを持ち歩くのがとにかく面倒臭かったです。
それがiPadを1つだけ持ち歩けばよくなるので、ものすごく楽になります。
MagicKeyboardは重いと言われていますが、実際に外付けキーボードとマウスを一緒に持ち歩くとなると、重さはそこまで変わりませんし、荷物の数が少なくなるのでメリットの方が大きいと感じました。
MacBook Pro13インチと画面高さが同じ
MagicKeyboardはフローティングカンチレバーという方式を導入しているため、画面が浮いています。
地味にありがたいのが、画面の高さが13インチのMacBookProとほぼ同じになるところです。
iPadは画面サイズが小さい上に、SmartCoverとかSmartKeyboardのスタンド機能だと、画面が低いので、タイピングや閲覧するときの姿勢が悪くなりがちになります。
画面が浮いていることで、MacBookPro13インチと同じ画面高さになるので、姿勢がかなり楽になります。
地味だけど作業効率に大きく関与するメリットだと感じました。
デメリット
価格が高い
これが一番のデメリットですね。
とにかく高いです。
- iPad Pro 11インチ 31,800円(税別)
- iPad Pro 12.9インチ 37,800円(税別)
超高級キーボードと言われているHHKBというキーボードと同価格帯です。
まぁApple純正のカバー、キーボード、トラックパッドを購入すると思えばそれほど高すぎるとは思いませんが、やはり高いですね…
もちろん、実際に購入して使用してみて不満点はほぼありませんが懐は痛かったです。
最安構成でApple Pencilと合わせて購入すると13万円ぐらいするのでそこそこなパソコンが買えてしまします。
アプリや機能がまだ洗練されていない
MagicKeyboardがというより、マウス対応が完全でないというところです。
上記でも少し触れましたが、ドラッグによる範囲選択や二本指でのスクロールが対応していないアプリがいくつかあります。(Apple純正のアプリはほぼ対応しています)
直感的にトラックパッドで使用できないアプリがあるので、キーボードで対応したりと少し手間はかかってしまいます。
対応してくれるのを期待するしかありませんね。
重い
この批判がかなり多いですし、実際本体より重いので仕方がありません。
- iPad Pro 11インチ 約470 g
- MagicKeyboard 約600 g
少しフォローすると、iPadだけで見るとかなり重いのですが、iPad+キーボード+マウスで持ち歩くと想定したとき、実際のところ重さはほとんど変わらないのが実際です。
iPadの選び方を全力で考察してみた記事でも紹介していますが、比較すると下記のような感じです。
- iPad+MagickKeyboard 約1090 g
- iPad+SmartKeyboard Folio+マウス 約960 g
重いのは事実なのですが、ちゃんと重さで比較するなら、実際に使用用途に合わせて一緒に持ち歩くアクセサリとのセットで比較して語るべしだと個人的に物申します。
重さはほぼ同じでも、荷物の個数で見るとMagicKeyboardは1つにまとまるので、運搬コスト全体で見るとMagicKeyboardに分がありそうです。
MagicKeyboardをつけたまま手書きは厳しい
さすがにMagicKeyboardをつけたままApple Pencilで手書きをするのは結構厳しいです。
MagicKeyboardをつけたままひっくり返して手書きするなんて変態がいるそうですが…
このデメリットは手書きをするときに素直にMagicKeyboardから外して書けば良いだけです。
AppleのMagicKeyboardの公式動画で取り外している様子もありましたし、実際にiPadとMagicKeyboardは磁石だけでくっついているのでつけ外しがとっても楽です。
手書きをしたり、電子書籍を読むときはMagicKeyboardから取り外し、タイピングをするときはMagicKeyboardをつけるという使い分けをすることで、中途半端に重いカバーをつけている時より快適に使えると感じました。
どんな人にMagicKeyboardはおすすめか?
色々と語りましたが、結局のところ、MagicKeyboardは万人向けではありません。
iPadの大きな特徴の一つは「使う人に合わせたカスタマイズが可能」です。その選択肢のうちの一つが「MagicKeyboard」というだけです。
ではMagicKeyboardがおすすめな人はどんな人でしょうか?
それは、「キーボード+トラックパッドでいつでもどこでもiPadでほとんどの作業を行いたい人」だと感じました。
コンパクトかつ少ない荷物で、読む・書く・タイピングのほぼ全てを快適にこなすことができます。
特に購入しようと悩んでいる人は、モバイル機としてカフェなどで使用することを想定してみると良いかと思います。
実際にBluetoothキーボードとSmartKeyboardとMagicKeyboardで運用した際の様子を比較してみましょう。
どうでしょうか?
自分だったらどの見た目やスペース感で使用するのが気持ち良さそうかというので決めてみても良いかもしれません。
これらの持ち運ぶ際の重さはほぼ同じなので、荷物の量と使用する際に展開するスペースと値段が判断材料だと思います。
自分が使いたいものに合う組み合わせを選ぶのが最高のコスパなので、iPadの選び方を全力で考察してみた記事も参考になると思います。
まとめ
以上、iPad Pro用MagicKeyboardについて、バイオ系研究者が実際に1ヶ月使ってみての
- 使い方
- メリット・デメリット
- どんな人に向いているのか
についてのアウトプットでした。
1ヶ月ほぼ毎日使い込んだ感想は、
いつでもどこでもiPadだけで研究業務の多くをカバーしてくれる最高の一品でした。
かなりの高級品なので、投資した以上の成果を出せるように精進していかねば…ですね。
お気に入りのデバイスは仕事をする活力を引き出してくれる良き相棒だと思うので、相棒と一緒にこれからたくさんの成果を出して行きます。
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