【研究成果を起業で還元】スタンフォード大学に学ぶ医療系起業家の育て方

Science Memo
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本記事では「起業家育成のメッカ、スタンフォード大学で行われている、医療系の起業家を育成するための2つのプログラム」の紹介記事から学んで考えたことについてアウトプットします。

概要は下記の通り

大学で生み出された研究成果をいかに世の中で使うことができる形にするのか(社会実装できるか)が度々議論されています。
この役割を背負うのはこれまでは企業でしたが、近年、大学にも求められるようになってきています。

そのためには人材が必要です。
ではその人材はどう育てるか?

起業家育成のメッカ、スタンフォード大学では、その人材を育てるための2つのプログラムがあるそうです。

  • Stanford SPARK Program
    創薬・バイオ系に特化した起業家育成講座
  • Stanford Biodesign Program
    医療系に特化した起業家育成講座

研究成果を社会にアウトプットする人材育成の大切さを学べる、重要な記事だと感じました。

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スタンフォード大学の起業家育成

スタンフォード大学は起業家の育成でとても有名だそうです。

ただし、あくまでも大学の本分は教育と研究で、多くのノーベル賞受賞者を育てた大学でもあるそうです。(wikipedia、ノーベル賞受者の大学別ランキング

他の大学との違いは、スタンフォード大学やそこの研究者は、様々な研究成果をできるだけ社会に還元しようという精神が宿っているとのこと。

研究成果を社会に還元する

研究成果を社会に還元する上で大事な認識があるそうで、
それが、

  • 研究成果「シーズ」
  • 社会の要求「ニーズ」

このシーズとニーズにどうマッチさせるかが重要であるとのこと。

研究者が発見・解明したシーズは残念ながら全てのニーズを満たせておらず、これがそのまま社会に還元するのが難しい理由だそうです。
そして、シーズと最も適合するニーズの組み合わせができるかどうかが、真のイノベーションに繋がるそうです。
至極当たり前のことですが、この組み合わせがとっても難しいとのことです。

スタンフォード大学の2つの起業家育成のプログラム

どうやってシーズとニーズを組み合わせるのか

方法は2つあるそうです。

  • シーズ側がニーズ側にアピールする場を用意する
  • ニーズを見つけ出すところから始め、それにあったシーズを探す

そして、スタンフォード大学の起業家育成プログラムはこの視点をもつ人材を育てることを目的としているそうです。

スタンフォード大学の2つのプログラム

  • Stanford SPARK Program
    創薬・バイオ系に特化
    研究内容からニーズを見つけにいく
  • Stanford Biodesign Program
    医療系に特化
    臨床現場のニーズを最初に見つけ、シーズを探す

この2つのプログラムについて詳しく見ていきましょう。

Stanford SPARK Program

シーズ側がニーズ側にアピールする場を用意することを目的としたプログラム。

主にPhDとポスドクが受講し、自らの研究成果を創薬に活かすには何をすれば良いかを学ぶ講座になっているそうです。
目指すゴールは、起業とライセンスアウトすること。

毎週、学外の創薬・バイオ系の専門家を招き、議論を行ったり、科学者・ビジネスマン・医療関係者でブレインストーミングしてブラッシュアップを行っている。
さらに、毎週100人近くのアドバイザーが集結しているとのこと。
研究者の発想(研究成果)を商品にするには、研究とは違う考え方が必要で、シリコンバレーのメンター達によるサポートが受けられる。

このプログラムの成果として、2019年までに、110以上のプロジェクト立ち上げ、21社のベンチャー設立、そして数種の薬剤が上市しているそうです。

日本では、筑波大学が中心となってSPARK JAPANがあるとのこと。(SPARK Japan、学術情報流通推進委員会

Stanford Biodesign Program

ニーズを見つけ出すところから始め、それにあったシーズを探すプログラム。

専門性の違う学生4人が1つのチームを作り、医療現場の観察を行うことで、まだ気づかれていないニーズを見つけることを行なっている。
医療機器の場合は創薬・バイオとは異なり、ニーズが起点になる発明が重要とされているそうです。

ニーズは研究室にあるんじゃない!現場にあるんだ!

  • 患者のニーズをどうやって見つけるか?
  • どう解決策を導くか?
  • ニーズはどれほどの価値があるのか?

を学ぶプログラムになっているそうです。

現場からニーズを探すため、解決策は自らが持っていない技術になることもあります。
なので、研究室支点のイノベーションではなく、現場から始まるイノベーションと言われているそうです。

2019年までに、50社を超えるベンチャーが立ち上がり、200万人の患者が恩恵を受け、多くの新規雇用を生んでいる多くの成果をあげているとのこと。

日本では、バイオジャパンデザインというプログラムがあるそうです。(ジャパンバイオデザイン

日本での取り組み

最近の日本政府の方針として、ベンチャーを代表する新規産業創出の流れがきているらしいです。

  • 経済産業省
  • 文部科学省
  • 厚生労働省

をあげて、ベンチャー育成に注力しているそうです。
イノベーションの中心として、

  • 創薬バイオは大学
  • 医療機器は病院

と言われていることから、研究室と臨床現場を持つアカデミアは大事なイノベーションの環境であるとも言えます。
その中で、

  • シーズとニーズの出会い
  • アカデミアと産業界のコミュニケーション

を理解した人財育成が最重要かつイノベーションの成功の鍵とのことです。

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思ったこととか考えたこととか

思ったこと

研究成果を社会に還元する人材を育てるプログラムがあることに衝撃を受けました。
自分たちが作った技術を自分たちで世に出す人材を育てるという概念がびっくりです。

大体は大学の研究成果を企業が使って世に出すものが多いと思います。
そして多くの大学の人材は、研究だけに注力しているような印象も受けます。
その中で、アウトプットまで見越して、その人を育てるというのはとても良いと思いました。

研究だけに注力する人も大事ですし、還元できる人材も大事だと感じます。
要は、大学と社会を繋ぐ人材も必要なのかなと思います。
Stanford SPARK Programでは、大学や企業などの多くの人たちが協力できる体制もできているように感じますね。
人材育成もさることながら、大学と企業全体で社会実装に取り組むことができるwin-winな関係ができているのかもしれません。
大学と企業をつなぐのに必要とされる人材を育成できる理想的な仕組みだと思いました。

考えたこと

ものづくりにおいて、

  • シーズ側がニーズ側にアピールする場を用意する
  • ニーズを見つけ出すところから始め、それにあったシーズを探す

この二つの視点は本当に大事だと感じます。

研究成果を社会に還元することが、国の税金をもらって研究している研究者の義務ということを聞くことがありますが、
その還元する内容として、アウトリーチという形で

  • こんな研究成果が出たという報告
  • 研究成果をわかりやすく説明する

が多い気がしますが、これは本当に社会に還元していると言えるのでしょうか?

税金を収めている社会の人が、その還元方法で納得するかといえば多分しないと思います。
なぜなら、自分はその恩恵を受けないからですね。話を聞いて納得する人は研究に興味があるごく一部。あるいは、研究に従事している人ではないでしょうか。
だとすると、本当の意味での還元は、社会の一部として導入するところまでだと考えます。

でもそれはものすごく大変なことで、研究者が一人で全てできることではありませんね。
だからこそ、本記事の社会にアウトプットできる能力を持つ人材の育成が重要だと感じます。

国の大型研究費などで、ベンチャー企業立ち上げまでを条件としているものがあります。
そして、実際に立ち上がったベンチャー企業もあります。
ただ、成功している企業はそんなに多くないように見えます。

考えられる理由は、
そのベンチャーを仕切る人は、もともとそのプロジェクトに関わっていた大学の人だったり、企業の人だったりで、その手のプロではありません。
記事中でも述べた、「シーズと最も適合するニーズの組み合わせをして、真のイノベーションに繋げる」ことを教育された人ではありません。
ただ研究プロジェクトによって作られたシーズを、無理やりベンチャーとして形作っただけで、ニーズとのマッチングが明確でないことだと考えます。(素人考えですけどね)

現に、目玉の技術を持ちながらも、それ以外の事業で日銭を稼ぎながら、目玉技術とニーズのマッチングを行なっているベンチャーが日本のバイオ系は多い印象を受けます。

国は大学の成果を世の中に還元することを推進している動きがあると前述しました。
研究費を自分で稼いでねという隠れたメッセージもある気はするけれど、成果を社会に還元するという面ではよいこともあると思います。
ただ、そのための人材と環境がないので、そこの整備は必要だと考えます。

どんなに素晴らしい研究成果を出しても、それを世に出す人材と環境がないと、無駄になってしまうので、教育と環境整備は重要ということでしょうか。

「研究成果を社会に還元するとは?」を学べる、重要な記事だと感じました。

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