科学に携わる上で、論文は必要不可欠ですね!
例えば、論文は研究の攻略本と言われていたり、研究を効率よく実行する上で欠かすことができません。そして、科学の世界で業績として最も評価されるものが論文です。
このように、研究者にとって論文は避けては通れないものになっています。
ところが、そこまで大事な論文ですが、読むことができても、書くのはなかなかしんどいところがありますね。
そして、論文を書くことについてなかなかきちんとした指導を受けれない声も聞いたりします。
私も論文を書くことについては、「論文を書きなさい」と言われた程度で初めて取り組むことにしてはどうしていいかわからず苦戦をしました。
書いては書き直しをさせられを繰り返して、なんとか形になりました。
そんな経験を通して、論文をいかに簡単に書けるかを試行錯誤して構造を考え、パーツとして理解することで、論文を書くハードルが下げれたので、アウトプットしてきます。
論文を書くためのハードルを下げるためには
・構造を理解する
・パーツとして捉える
・日本語でしっかりと論理を組み立てる
・英語を気にしすぎない
の4つの項目を意識すると良いと考えます。
構成を理解する
まずは論文の構成を理解することが大切です。
基本的ですが、論文は下記の8つのパーツからできています。
- Title
- Abstract
- Introduction
- Results(+Figure)
- Discussion
- Conclusion
- References
論文はこの8つのパーツを組み立てることで書くことができます。
下記の記事で紹介するように、論文は構造を理解することが重要です。
ただ単に小説のように文章がつらつらと書かれているものではありませんよ!
パーツとして捉える
Materials & Methods
とにかく使用した試薬、実験機器の情報と実験手順を英語で書いていくだけですね。
理解してもらう確率を高めるためには、実験手法の大まかな流れをFIgureを用いて要約すると良いのではないでしょうか。文章を読むより、パッと見て直感的に理解できる方がわかった気にさせやすいですね。
Results(+Figure)
とにかくはじめにFigureを作りましょう。
このFigureを説明するのがResultsの大部分になります。論文が書けるような状態の人は日頃から使用している発表スライドから、本当に必要なデータを選出し、論文用に体裁を整えるだけの簡単な作業だと思います。
次に、Resultsの文章にいついては、実験の項目の小見出しを作ります。そして、小見出しごとにFigureの説明を詳しく書きましょう。
例えば、◯◯の実験を行なった結果XXのようになりました。それをFigureとして記しました。グラフの変化は◯◯のようになっており、この図からどう言うことが読み取れるのかということを書きます。
ここで注意なのは、自分の考えはまだ書かないようにします。あくまでデータから読み取れることのみを書きます。
Discussion
Discussionでは結果の項目ごとに段落を作ります。
そして、各段落ではResultsの要約を短く書いていきます。
次に、先行研究ではどのような似たようなことがされているのかを2報ぐらいピックアップして記述しましょう。
そこまでしたら、本研究の結果は先行研究に基づいて考えると、どのようなことが言えるのかや、結果から考えられる自分の考えを書く。ここで初めて自分の意見を出します。
これらの結果と考察からその項目の実験での小結論を書きます。
上記の内容で、各実験ごとを同じ構成で書いていきましょう。
最後に、この研究で不足していること、これから発展する余地があること、何に応用することが可能であるのかということを述べましょう。これによって、この研究の将来性を示すことができます。
Conclusion
最後の結論では、本研究では、どのような目的で、どのような実験をして、どういう結論が導くことができたのか、それぞれ簡潔に述べます。
正直なところ、論文は結果ありきで書くことが多いので、一番はじめに書いてもよいくらいではないでしょうか。
ちなみに、論文書く段階まできた人なら、すでに明確なはずなので、特に困ることはないと思います。
欠かしてはいけないのが、最後に研究の応用性について述べましょう。
研究の出口を示すことで、この研究の重要性の具体性が上がります。
Introduction
Introductinは4段落に分けると書きやすいです。
- 全体の背景。背景の中でも広くから狭くしていきましょう。
重要なのは、解決するべき問題を明確にすること - 解決するべき問題について。これまでの他研究者の取り組みを書きます。
研究分野としてどう考えってきたのかを示します。そして、これまでの取り組みでも解決できていないことは何か?を明確にします。 - 自分たちの研究チームのこれまでの研究について。
自分たちの取り組みの歴史、注目点、課題の解決に使うに合理的なことを書きます。そして、自分たちのこれまでの技術をもってしても解決できていないことを明確します。 - 解決するべき課題を明確にして、本実験でどのような方法を用いたのか。
主に、Material & Methodの要約を書きます。
Abstract
Abstractは論文の要約になるので最後に書くことをおすすめします。
- 解決するべき課題
- 行なったた実験
- 得られた結果
- 結論
の4項目を雑誌の指定する文字量で簡潔に書きましょう。
日本語でしっかり理論を組み立てる
基本的に評価される論文は国際誌になるので、英語で書くことになるかと思います。
しかし、書くことに慣れない英語で文章を書くのは正直大変です。
なので、まずは日本語でしっかり書いた方がいいのではないかと考えます。論文を書き慣れないうちは、論理を無駄なく一貫して書くことは意外と難しいので、まずは日本語でしっかり書くことが重要だと思います。
(論理的な文章は日本語や英語という言語は関係ないので、英語に引っ張られすぎてはいけませんよ)
中には、初めから英語で書くのが当たり前とか言う人もいますが、無視して構わないと思います。
初めのうちは、論文を仕上げることが目的になります。英語で綺麗に書くことが目的ではありません。多少醜くてもダサくても、仕上げることを第一の目的することが重要です。
数をこなして、慣れてくると、いきなり英語でも書くことができるようになってくるので、必要のないところで無理する必要はないと思います。
英語を気にしすぎない
日本語でしっかり書けたら、英語訳をしていきましょう。(文法は会話文と言うよりは、論文でよく使う言い回しとかがあるので他人の論文を参考にすることをおすすめします。実際に英語がペラペラな人でも、論文用の言い回しで書くことは難しいと言っていました。)
最後に、英文構成に出しましょう!英文校正はその道のプロが文章を添削してくれます。なので、とにかく完成させて英文校正に出すことが近道です。変に文法にこだわって遅くなってしまっては余計な時間がかかるだけな気がします。
ちなみに、英文構成に出しても、英文がダメと言われることがあるので、自分が英語できないことを気にしないようにしましょう。
まとめ
論文は読み手を感動させるための小説ではないので、ドライに接することが重要なのではないかと考えます。いかに読みやすく、理解しやすく書けるかが勝負だと思います。
実際に論文を書いたり、添削したりして、構造を理解して、パーツとして捉え、パーツを作り、組み立てていくというイメージが重要だと感じました。
なので、多くの論文に適応できるテンプレートを作り、それを埋めるだけで仕上がるようにシステムを組むことで、論文を書くハードルを下げることができると考えます。
次回はテンプレート構築編についてアウトプットします。
私が実際に使用しているテンプレートを示します。一例として参考にしていただけると幸いです。
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