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「スマホ脳」を読んだレビューとスマホとの距離の置き方のメモ

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本記事では、「スマホ脳」を読んで学んだことをアウトプットします。

スマホが普及して、スマホを触らない日はないくらい日常に浸透しています。
なんでもスマホで済むようになってきて便利になる反面、スマホを触りすぎることによる悪影響が報告されています。

  • スマホが人に与える悪影響は何か?
  • なぜ人はスマホをつい触ってしまうのか?
  • スマホと正しい距離で接するにはどうしたらいいのか?

「スマホ脳」はそんな疑問について解説した良書だと感じます。

現代社会でスマホと切っても切れない生活をしているからこそ、自分にあたえる影響をしっかり理解してスマホを使いこなすことが大事だなと感じました。

書籍情報

タイトル:スマホ脳
著者:アンダース・ハンセン
訳:久山葉子
出版社:新潮社

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「スマホ脳」を読んだ理由・きっかけ

スマホを毎日触っていて、なんでこんなにスマホを触ってしまうんだろう?という疑問がありました。

正直なところ、1日に数時間スマホを使用している現状で、スマホの触りすぎで自分の人生の時間を無駄にしているのではないかと感じています。
かといって、スマホを手放すのはなんだか違う気がするのも確かです。

そんな現代で、スマホと正しい距離を保って生活するにはどうしたらいいのだろうか?
という事でスマホが人に与える影響や、なぜスマホを触ってしまうのかについて考察されている「スマホ脳」とう本を読んでみました。

AppleWatchを購入してからスマホとはだいぶ距離をおけていますが、これで効果はあるのだろうかという疑問や、より効果的なスマホとの距離の置き方を学びたいと思います。

「スマホ脳」で解説されていること

章構成

新しいまえがき
第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
第6章 SNS—現代最強の「インフルエンサー」
第7章 バカになっていく子供たち
第8章 運動というスマートな対策
第9章 脳はスマホに適応するのか?
第10章 おわりに

スマホ脳、アンダース・ハンセン、目次

解説されていることのまとめ

この本は「人間の脳はデジタル社会に適応していない」そのため、スマホによる悪影響を受けてしまっているのではないかと考察・解説した本です。

なぜスマホの影響を受けてしまうのか?

それはスマホなどのデジタル機器は人間の歴史にとってほんの最近出てきたもので、人間の脳はそれに追いついていないという理由だそうです。
この本によると、人間の脳は狩猟採集時代の頃からの危険察知をするシステム(ストレスなど)を維持したままで、スマホはこのシステムを常に刺激し続けているのではないかと考えられています。

実際のところ、スマホで主に使われているようなSNSなどは、人間の心理的・本能的なところを突いて、いかに長時間触らせようか考えて作られているそうです。

実際にスマホに依存したような生活に陥ると

  • 集中力の低下
  • 精神的な健康への影響
  • 子供の能力低下

に影響が出るのではないかとのことです。

そのため、スマホは電子ドラッグのようなものと考えて向き合ったほうが良いとのことです。

スマホのおすすめの使い方

結局、スマホはどう使ったらいいのかについては下記の通りだそうです。(参考:スマホ脳、P244より)

  • 自分のスマホ利用時間を知る。
  • 目覚まし時計と腕時計を買ってスマホを使わないようにする。
  • 毎日1〜2時間、スマホをオフにする。
  • プッシュ通知を全てオフにする。
  • 集中力が必要な作業をするときはスマホを手元に置かず、隣の部屋に置いておく。
  • チャットやメールをチェックする時間を決める。
  • 友達と会っているときはスマホをマナーモードにして少し遠ざけておき、一緒にいる相手に集中する。
  • どうしてもスマホを寝室に置くなら着信音を消しマナーモードにする。
  • 寝る直前に仕事のメールを開かないようにする。

「スマホ脳」から学んだこと、考えたこと

感想

この「スマホ脳」を読んでまず感じたことですが、
この本では、「人間の脳は狩猟採集民族の頃から機能としては変わっていない、そのためスマホに適応できない」
と述べられていましたが、ただの仮説であり実証はされていないのではないか?と思いました。

これについては著者自身も

そんなの推測にすぎないだろう、という人は賢い。感情や行動の進化に関して、軽々しく確実だなんていうのは無責任だ。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P61

と述べており、フェアな意見として捉えていいのではないかなと感じました。

また、スマホが人間に与える悪影響については、スマホの普及が研究スピードよりも速いため、研究結果が追いついていないとのことです。
スマホの影響については、本書で解説されていることはまだ仮説の域は出ないものの、現在ある研究結果的には懸念しておいて損はないと感じました。

実際にこの本を読んで参考になったのは下記の7つのポイントです。

  • SNSで広がる真偽不明の情報
  • ついスマホを触ってしまう原理
  • スマホやSNSの開発者自身の警戒
  • スマホによる集中力の低下理由
  • スマホで睡眠不足になる理由
  • どうしてついついSNSを見てしまうのか
  • 子供にスマホで遊ばせないほうがいい理由

SNSで広がる真偽不明の情報

デジタルツールは外の世界との架け橋のようなものだ。だが、問題を引き起こすこともある。現在は、噂や陰謀論がSNSを通じてウイルスよりも速いスピードで拡散される。噂の感染拡大は機器における極めて自然な副産物だが、昔は少人数の間で広まるだけだった。それが今では数時間のうちに何百人にも届く。あまりに大規模な偽情報の拡散に、世界保健機関(WHO)が「私たちはウイルスの感染拡大に付随してインフォデミッックにも襲われている」と注意を呼びかけたほどだ。
偽情報に対して、なぜ人間はこれほど脆弱なのか。それに対して、私たちはどんな手を打てるのだろうか。本書『スマホ脳』では、そういった問いも取り上げている。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P12

twitterでもリツイートなどで嫌でも目に入ってくる偽情報はいつになっても消えないものですね。
正直なところ、確証のない情報を流して、世間を余計にかき回して必要以上に混乱させている人間の方が怖いと思う今日この頃です。

スマホとSNSで、誰でもが情報を発信できるのは素晴らしいことであるとも思うが、それゆえ緊急時では余計な混乱を引き起こすもろ刃の剣であることは認識しないといけないですね。

「この人やばいこと言ってるから気をつけてね」というリツイートですら拡散の手伝いをしているようなものなので、黙ってブロックか無視するのが、きちんと判断できる人が行うべき手段だと思います。
誰の目にも留まらなければ存在していないのと同じですからね。

そして、この偽情報でも急激に拡散してしまう理由は、正しいニュースが広まるわけではなく、伸びているものが広まるということが理由だそうです。
これはYoutubeなんかの動画でもそうかもしれません。自分は昔、ニコニコ動画で自分で面白いと思う動画を探して観ていましたが、Youtubeが主流になって、検索機能がほぼ機能していない中おすすめ動画を強調してくるあたり、なかなか自分で面白いという動画に出会えなくなったのは悲しいところ。(Youtubeの検索機能はもう少しなんとかしてほしいですね)

という感じで、内容度外視で、数字だけで操作されているので良くも悪くも拡散された情報はさらに加速して拡散されることになるとのことです。
よくフェイクと言われる情報に対して警鐘をならす目的でリツイートしているものを見かけるが、これも結局数字上では拡散にあたるので、警鐘の目的のはずが、拡散してしまっていることには気をつける必要がありますね。

ついスマホを触ってしまう原理

パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果私たちはクリックが大好きになる。しかも実は、今読んでいるページよりも次のページに夢中になっているのだ。インターネット上のページの5分の1に、私たちは時間にして4秒しか留まっていない。10分以上時間をかけるページは、わずか4%だ。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P73

知識の中身自体よりも、知識を得る段階に対してドーパミンが出ているというのは面白いなと感じました。

インスタグラムとかtiktokとかで、短時間で特に中身のない写真や動画が連続的に流れているのが話題になっているのを耳にします。
なぜこんなにも人気なのか疑問でしたが、コンテンツ自体が面白いというよりも、次々に新しい情報が流れてきて、その都度ドーパミンが分泌されているからハマっているという解釈をすると腑に落ちる部分は確かにありますね。

身近な人を見ていても、インスタグラムのタイムラインを見終わった後に、ひたすら更新して新しい投稿がないかをチェックしている人がいます。
無意識的か意識的かは知りませんが、繰り返しているのを見ると、新しい更新(情報)を求めている状態になっているという述べられている通りの状態に陥っていそうで、この本の説得力は大きいのかなと感じました。

スマホやSNSの開発者自身の警戒

シリコンバレーは罪悪感でいっぱい

極めてテクノロジーに精通している人ほど、その魅力が度を過ぎていることを認識し、制限した方がいいと考えているようだ。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P78

フェイスブッックの「いいね」機能を開発した人物が、自分のフェイスブックの利用時間を制限したり、ラインのようなSNSの利用をやめているとのことです。

人間がいかに長くそこに興味を向けて続けさせるかを追求した結果生まれたのが、フェイスブックやツイッターなどのSNSであるとのことで、これは開発者自身も想像以上に悪影響を及ぼしていると認識しているようです。
自分が理解しているからこそ、適切な距離感を保とうとしているらしいですね。

iPadやiPhoneの開発に携わったアップル社の幹部も子供達への影響を心配しているそうですし、さらにはアップルの創設者であるスティーブ・ジョブズまでもが自身の子供にiPadを触らせないようにしていたとのことです。
さらにさらに、ビル・ゲイツも自身の子供が14歳になるまでスマホを持たせなかったそうです。

それを作るということはメリットもデメリットも把握していると思います。
意識的に使えばメリットはかなり大きのがスマホやタブレットのデバイスですが、無意識的に使うとデメリットが上回るということなのでしょうか。

スマホも「◯◯をする」など目的を持って使う分には非常に便利なデバイスだと思います。
ただ、無意識でSNSやネットを徘徊している時ほど無駄なことはないとも思うので使い方次第だな感じます。

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スマホによる集中力の低下理由

脳には切り替え時間が必要で、さっきまでやっていた作業に残っている状態を専門用語で注意残余と呼ぶ。ほんの数秒メールに費やしただけでも、犠牲になるのは数秒以上だ。切り替え時間の長さを確定することはできないが、ある実験が示唆している。集中する先を切り替えた後、再び元の作業に100%集中できるまでには何分も時間がかかるという。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P89

忙しい人ほど同時に様々な作業をしているというイメージが強いですが、実際には同時にしているというより、作業を切り替えているだけということだそうです。
そして、作業の切り替えには必ずラグが生じてしまうとのこと。

人は忙しくいろんな作業をこなしている人のことを優秀だというように見える傾向があるそうですが、実際には一つのことに集中してできていないそうです。
仕事をしているけれど、仕事ができているかどうかはまた別の話なので、注意しないといけないですね。

自分自身いろいろ手をつけがちですが、あれもしないとこれもしないとという感じで同時にやっている時ほどミスが増えるし、なんでこんな判断してしまったんだろうという事が多々あります。
色々やることを諦め、ひとつひとつ終わらせながら仕事をしている時はミスも減り、判断についても覚えているので自分はマルチタスクがとことん合わないなと痛感します。

同僚なんかにマルチタスクした方がいろいろこなせるとはよく言われますが、その同僚の仕事の質を見ている限りではマルチタスクはしなくても良さそうと感じます。
結局ミスしたり、妥当な判断ができていなくてやり直しが起きるため、集中してやった方がかえって時間が少なくなるような気がしています。

ちなみにマルチタスクが得意な人もいるそうで、人口の1~2%ぐらいらしいです。
自分がそんな稀有な才能の持ち主でない限りはシングルタスクでひとつひとつ集中した方が質の良い仕事を早く行う事ができそうですね。

また、とある実験では、スマホ(サイレントモード)をポケットに入れている人よりも、別室に隔離している人の方が記憶力と集中力が高くなるという結果が得られているそうです。
残念ながら常にスマホを触る事が癖になっている人にとっては、スマホを触っていない状態でも手元にあると「スマホを触らないようにしよう」という意識にリソースを割かれるとのことです。

何かに集中したい時は手の届かないところにスマホを隔離して、一つのタスクに集中する事が重要っぽいですね。

スマホで睡眠不足になる理由

睡眠不足は人間の機能も低下させる。1日6時間以下の睡眠が10日続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下するのだ。さらには情緒も不安定になる。様々な表情の顔写真を見せて脳を観察すると、しっかり眠っていない時はストレスシステムのモーターである扁桃体が激しく反応する事がわかる。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P119

ついスマホを見すぎて睡眠不足になった事が、恥ずかしながらよくあります。
しかも、睡眠不足とわかっていながら次の日もついついやってしまう悪循環です。

(キリがいいからかわからないですが)6時間という睡眠時間の堤防が自分の中であるものの、結局それを繰り返していたら徹夜と変わらないとのことで衝撃的ですね。

スマホが睡眠を妨げる理由としては、情報の提供とともに分泌されるドーパミンやブルーライトといった事が原因でないかと言われています。

いろんな研究でそうであるともそうでないとも言われていて、真相はまだ定かではないです。
しかし、「スマホを触っている事で睡眠時間が減っている」というのは紛れもない事実なので、そこはどんな研究結果が出ていようとも、寝る前はスマホは隔離しておいてしかるべきであると感じます。

何か新しい情報がないか気になってしまって、「でも寝ないと」という葛藤が起こっている事自体、睡眠に集中できていない事になるので、特に寝る前のスマホの隔離は大事ですね。

どうしてついついSNSを見てしまうのか

フェイスブック他のSNSにとっての最大の財産は、あなたの注目だ。だからそれをうまく引きつけるような製品を作らなくてはならない。

アプリやスマホ、ゲームやSNSの作れてはメカニズムにさらに磨きをかけ、数々の雑音を潜り抜けてあなたの頭の中に入ってこようとする。私たちの注目を勝ち取るべく、脳のドーパミンのシステムをハッキングするのがますます上手になっている。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P157

自分よりもはるかに頭のいい人たちが、人間の仕組みを利用し、常にそれを触っている・見ている状態にしようとしているのがスマホのアプリたち(特にSNS)ということですね。

基本的にスマホで何か(特にSNS)をしている人は、自分で何かを能動的にしているよりは、させられているという認識をした方が良いかもしれませんね。

それに対して、意志の力だけで対抗することは厳しいというか不可能に近いと思います。
なので、スマホを遠ざけたり、目の見えないところにしまったり、鍵付きの箱に入れてしまったりという物理的な手法や、ソフトウェア側で使用時間の制限をかけたりする、「仕組み」で対抗する方法が有効そうです。

自分の時間を生きたいと思うならば何かしら対応しないと、気が付けばスマホを触らさせられ続けて生きるということになるので注意が必要ですね。

子供にスマホで遊ばせないほうがいい理由

幼児には向かないタブレット学習

パズル遊びを例に取ってみよう。大人にとっては、アプリのパズルと本物のパズルにそれほど大きな違いはないだろう。一方、2歳児は本物のパズルをすることで指の運動能力を鍛え、形や材質の感覚を身につける。そういった効果はiPadでは失われてしまう。

スマホ脳、アンダース・ハンセン、P175

これは遊びの本質だと思います。
積み木なんかも、ものの形や空間を認識する能力を磨く効果があると聞きます。

大人からしてみたら子供が何かの遊びに夢中になって静かにしていてくれればそれで良いかもしれません。
子供が大人しくしているからといって、スマホやタブレットで動画やゲームをさせている親をよく見かけますね。
しかし、そうやって育った子供は何かを消費するのはうまいかもしれないけれど、自分で何かをする能力は果たしてどうなるのだろうか気になります。

子供にとっての遊びはこれから生きていくための、体の動かし方や考え方などを身につけるために必要な訓練なので、大人の遊びと同義にしてはいけないと思います。

また、教育の他の面になりますが、
今我慢した方が、後でよりよい報酬を得る事ができる状況下に置かれた時、スマホをよく使用している人ほど我慢する事ができなくなるという研究結果が報告されているそうです。

どういうことかというと、楽器をやりたいと言い出した子供を習い事に行かせても、思ったように習得できず、結果が出る前にやめてしまうなどの行動が、スマホをよく使用している人ほど多いらしいとのことです。

勉強も楽器もスポーツもなんでも結果が出るまでには時間がかかるものです。
その結果が出るまで耐える事ができない人が、これから増えていく可能性が高いというのは、日本の将来心配になりますね。

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まとめ

以上、「スマホ脳」を読んで学んだことのアウトプットでした。
スマホというよりは常に手元にあるスマホでネット、SNSやゲームなどをしてしまうことが人間への悪影響となるのかなと感じました

スマホの触りすぎで

  • 集中力の低下
  • 睡眠不足
  • ストレスによる不安

などに影響を及ぼしている可能性は高そうなので、スマホとの向き合い方をこれを気に見直していきたいと思います。

具体的には

  • スマホは基本的に目に入れないようにする
  • 手を伸ばして届く位置にスマホを置かない
  • スマホを触るときは目的と時間を決めて

という感じで対応していきます。

「スマホ脳」は読んでいて、実際に「あるある」と感じることが多数紹介されていました。
気がつけばスマホに支配されているなんてことになると、全然スマートではないので、道具に振り回されて自分の人生の時間を無駄にしないようにしたいですね。

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