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「エッセンシャル思考」を読んで学んだ大事なことに集中するメモ

Book Memo
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本記事では、「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」を読んで学んだことをアウトプットします。

何かと忙しい現代で、いかに集中して仕事をこなすかを解説した書籍です。

たくさんの仕事を抱える中、いかにはやく終わらせてたくさんの仕事を捌くかを考える事が多いです。
しかし、これは逆効果とのことで、「大事なことを選択する」「それに集中する」のが重要とのことです。

エッセンシャル思考を行うためには、

  • やることを選択
  • トレードオフを理解する
  • 睡眠を取る
  • 断り方を覚える

という点が個人的に重要だなと感じました。

書籍情報

タイトル:エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
著者:グレッグ・マキューン
訳:高橋 璃子
出版社:かんき出版

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「エッセンシャル思考」を読んだ理由・きっかけ

この本を読んだ理由としては、

  • とにかくやりたい事が多い
  • なるべくひとつひとつを効率よく行いたい

という悩みを解決したいと思っていた時に、話題になっていたので読んでみようとなったことです。

「99%の無駄を捨て1%に集中する方法」というキャッチフレーズの帯が付いており、手に取ってからこれは期待度が高いかもしれないとのことで、かなりのめり込んで読む事ができました。

「エッセンシャル思考」で解説されていること

章構成

Part 1 エッセンシャル思考とは何か
第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
第2章 選択 選ぶ力を取り戻す
第3章 ノイズ 大多数のものは無価値である
第4章 トレードオフ 何かを選ぶことは、何かを捨てること

Part 2 見極める技術
第5章 孤独 考えるためのスペースを作る
第6章 洞察 情報の本質をつかみとる
第7章 遊び 内なる子供の声を聞く
第8章 睡眠 1時間の眠りが数時間分の成果を生む
第9章 選抜 もっとも厳しい基準で決める

Part 3 捨てる技術
第10章 目標 再集計を明確にする
第11章 拒否 断固として上手に断る
第12章 キャンセル 過去の損失を切り捨てる
第13章 編集 余剰を削り、本質を取り出す
第14章 線引き 境界を決めると自由になれる

Part 4 仕組み化の技術
第15章 バッファ 最悪の自体を想定する
第16章 削減 仕事を減らし、成果を増やす
第17章 前進 小さな一歩を積み重ねる
第18章 習慣 本質的な行動を無意識化する
第19章 集中 「今、何が必要か」を考える
第20章 未来 エッセンシャル思考を生きる

最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ

エッセンシャル思考、グレッグ・マキューン、目次

解説されていることのまとめ

エッセンシャル思考とは「たくさんの仕事をこなす技術ではなく、集中して取り組むための方法論」とのことです。
たくさん抱えたやりたいことを処理したい自分に取っては、いきなり逆のことを提示されてびっくりですね。

エッセンシャル思考で大事なことは、「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」から、「やると決める」「大事なものはめったにない」「なんでもできるが全部はやらない」という3つに思考を切り替えることだそうです。
たくさんのやりたいことの中から自分に本当に本当に必要なことだけを選んで、質をあげるというものですね。

それを実行する方法で個人的に重要だと感じたポイントは下記の4つです。

  • やることを選択する
  • トレードオフを理解する
  • 睡眠を取る
  • 断り方を覚える

やらないことを決めるというよりは、やりたいこと、集中したいことを決めるというポジティブな思考ですね。
限られた時間の中で、「何かをする」ということは「何かをやらない」ということと同義であるという、トレードオフを理解する事が重要な点だと感じました。
「誰かを助ける」ことは「誰かを助けない」と似たものを感じますね。

そして、自分が選んだことにいかに集中するかを追求する事が大事で、その一つとして睡眠が挙げられていました。
睡眠による体調管理も然りですが、睡眠不足による思考力・記憶力の低下はせっかく他を切り捨てた意味を無駄にしてしまいます。

また、多くの日本人の悩みである、仕事をいかに断るかについては、「仕事を抱えすぎず、無理のない範囲で要求された質に仕上げるために仕事を断る」という考え方が重要なのかなと感じました。

といった感じで、とにかく自分が集中したい事に集中するための考え方がエッセンシャル思考であるようです。

「エッセンシャル思考」から学んだこと、考えたこと

睡眠の重要性

ハーバード・ビジネス・レビュー誌は「睡眠不足は企業リスクである」という記事を出し、睡眠不足がパフォーマンス低下をもたらす事実を紹介している。記事を書いたのはハーバード・メディカルスクール教授のチャールズ・A・ツァイスラー。彼は睡眠不足を酒の飲み過ぎになぞらえ、1日の徹夜や1週間の4〜5時間睡眠によって、「血中アルコール濃度0.1%分に相当する機能低下」が起こると説明する。
「酔っ払いを見て『いつも酔っているなんてさすが働き者だ!』と言う人はいないだろう。それなのに、睡眠を削っている人はなぜか働き者だと評価される。」

エッセンシャル思考、グレッグ・マキューン、P126

これは日本中どこでもあるけれど、睡眠時間を削って何かを成し遂げることを美徳とするというのは世界的に同じなんだなぁと感じました。

成果は定量しづらいものが多いので、なかなか評価するのは難しいけど、睡眠時間は時間でわかります。
そして、睡眠時間を削ることは辛いことで、その辛さを乗り越えてやったという点では確かにわかりやすい指標ですね。
とはいっても、そんな小学生でもわかるような、わかりやすいことでしか評価できない大人はもっと頑張って欲しいと思うところです。
こういうよくない風習を消すには、評価する上の人が変わらない限り、変わっていかないことだと思います。

注目すべき点としては、睡眠不足に陥っていると、お酒を摂取している状態と同じぐらい思考が鈍っているというところだと感じます。
集中したい自分の作業を行うためにお酒を我慢しているのに、睡眠不足になると血中アルコール濃度0.1%程度と同じ状態らしいとのことで、本末転倒っぷりがすごいですね。
ちなみに0.1%がどれぐらいかというと、ほろ酔い〜酩酊初期ぐらいということで、日本酒1合を飲んだ時よりも大きい値とのことです。

睡眠を削って何かをやっている人は、頑張っている自分に酔っているだけの可能性があるということですね。
自分でできていると感じても、客観的に見るとできていない上に、その雑な仕上がりでもできていると感じるほど判断能力が鈍っている事があるそうです。

自分も睡眠は軽視しがちなのでこの事実を受け止めないといけないですね。

仕事の断り方

上司からの依頼は断りづらいものだ。機嫌を損ねたら、どうなるかわからない。それでも、無理な状況で仕事を引き受けてしまうと、結果はよけいに悪いことになる。目の前の依頼も断らなければ、もっと重要な仕事が無駄になるかもしれないのだ。
単にノーというのが難しければ、上司にトレードオフを意識させよう。
たとえば、「はい、ではこの仕事を優先でやります。今抱えている仕事のうち、どれを後回しにしましょうか?」
あるいはこんなふうに断ってもいい。
「今かなり仕事を抱えているので、これを無理やり差し込むと品質が落ちてしまいます」

エッセンシャル思考、グレッグ・マキューン、P176

様々な「No」の言い方が解説されていましたが、自分が見てきたアカデミアの分野では、Noというならばこれ一択だと思います。
アカデミアの分野では自分でラボを構えるまでは誰かに雇ってもらう状態になります。
そして、残念なことにアカデミアのポスト争いは、優秀であることよりもいかに一緒に仕事ができるかを問う傾向が多いように感じる。(少なくとも自分が所属していた分野では)
自分のやりたい研究しかやらない人は、なかなか上に受け入れられない(気に入ってもらえない)ため、基本的にNoとは言えないのが現実だと思います。

こういう立場的な弱さから、基本的に上に「No」という人が生きづらいのは、アカデミアのよくないところですね。
そしてこの本で語られているような、「No」と言って高い質で仕上げた仕事を提出して、あの時「No」と言ったことは正しかった!と思えるようなPIは、残念ながら多くはないです。(「Yes」か「はい」しかない文化なんて言われていますからね。)

アカデミアだけでなく、企業で働く時も似たようなものだと思います。
海外はどのような条件で雇われるかは知りませんが、日本では何か特定の仕事をする契約で雇われてはいません。
つまり、その企業で行う「自分の仕事・使命」というものは特にこれとは定まっていないわけです。
明記されていないということは、「会社が提示する仕事があなたの仕事」ということになります。
その中で、「それは自分の仕事ではない」と言って「No」というのは話が違いますね。

なので、日本で「No」という場合はこの引用部分の「限りあるリソースの中で、どの仕事に注力すべきかを相談する方法」しかないんじゃないかなと感じました。

失敗を認めて次に進めることの大切さ

いったいなぜ、英仏両国の優秀な支持形は、採算の合わない投資をだらだらと続けたのだろうか?

理由のひとつは、サンクコスト(埋没費用)に対する心理的バイアスにある。
「サンクコストバイアス」とは、すでにお金や時間を支払ってしまったという理由だけで、損な取引に手を出しつづける心理的傾向のことだ。「ここでやめたら今までの投資が無駄になる」と思うあまりに、望みのない投資を重ねてしまう。これが悪循環を生み、投資額が増えれば増えるほど、抜け出すことが難しくなる。

エッセンシャル思考、グレッグ・マキューン、P181

研究でもとても大事なことだと感じます。
これまで培ってきた技術が発展の限界を迎えた時に、いかにうまく切り替えることができるかが勝負だと思います。

研究は解決したい課題を解決するためにやっているのであって、技術はそのための手段でしかありません。
今行なっている技術で限界を迎えたということは、何かが足りないか、技術が合っていなかったと考えることが妥当だと思います。

工学という分野のアカデミアにいて感じたことは、自分の開発した技術にこだわりすぎているということです。
解決したい課題を解決するために行なっているはずが、自身が生み出した技術を発展させ、守ることに注力している人が多いように感じます。
逆に解決したい課題のために様々な技術を取り入れている人もいます。こういう人ほど遠回りに見えて発展するスピードが早いので本質的なところだなと思います。

損失を削る部分において、間違えてはいけないことは、好きなことややりたいことでも成果が出ないからと言ってサンクコスト扱いして切るというのはよくないと思います。
好きなことややりたいことは、自分にとって、それをしていること自体が価値があることだと思うので、埋没していないと考えているのが理由です。
これを切ると、自分は何のために生きているのかわからなくなってくると思います。
少なくとも私はそうです。

自分の見積もりの甘さを知る

ある実験では、37人の学生に対し、卒業論文の執筆に何日間かかるかという質問をした。「全てがうまく言った場合」の見積もりは、平均で27.4日間。「何もかもうまくいかなかった場合」の見積もりは、平均で48.6日間だった。ところが実際、執筆にかかった平均時間は55.5日間と、最悪の場合の見積もりを超えていた。
当初予想した時間内で終わらせた学生は、たった3割だった。面白いことに、見積もりが甘すぎる傾向があることはみんな認めるのだが、それでも目の前の仕事を見積もる段になると甘すぎる見積もりをしてしまう。

エッセンシャル思考、グレッグ・マキューン、P288

これは自分でもよくあったことで、発表資料の作成の見積もりだとか、実験操作やその結果が出るまでの見積もりだとか、わりと最短でとってしまうことが多々ありました。

それしか作業がなければ遅れたぐらいで済むのですが、大抵の場合、他の仕事をそのあとに入れているので、破綻していましたね。
何とか終わらせるけれど、だいたい睡眠不足になる挙句に質も良くないという、終わったように見えて結局破綻している状態です。

この本では見積もりは1.5倍でとることをおすすめしていますがまさにこの通りだと思います。
とりすぎなように感じるけれど、遅れて破綻するよりは、早めに終えて余った時間で追加の仕事を行う方が、効率的にも気持ち的に良いことは確かですね。

「完璧を目指すな終わらせろ」の意味

「完璧をめざすよりまず終わらせろ」という言葉がある。シリコンバレーでよく耳にする言葉だが、これは別に品質を無視しろという意味ではない。瑣末なことに気をとられず、本質をやりとげろいう意味だ。

エッセンシャル思考、グレッグ・マキューン、P250

速さを重視しろというよりは「やるべきことをまずはやる」という意味だと思いますが、とにかく早くやってミスが多い状態で終わったとする人をよく見かけます。

この「完璧をめざすよりまず終わらせろ」という言葉は、速く仕事を終わらせるというより、目的の品質の結果を出すために、まずは本質となる骨格を組み立てて、そこから修正をかけていくことで品質を上げていくという言葉なのかなと思いました。

やってみて初めて見えてくるものがある以上、まずはやらないと始まらないですからね。

研究においても事前の下調べはかなり重要ではありますが、やる前から全てを把握することは不可能に近いです。
なので、まずは最低限の調査をした上で、プレ実験をして大枠を把握した上で、さらに調べるなら調べる、研究の方針を変える必要があるなら変えるなどの判断をする必要があります。
「完璧な調査」、「完璧な実験」、「完璧な解析」なんてことをやっていたら時間とお金はどれだけあっても足りないので、まずは小さなステップを終わらせて、修正を重ねていくことが大事なんだろうなと思います。

感想

正直なところ、この本を読んで「エッセンシャル思考」というものはあまりよく理解できていないです。
大事なものに注力するために、それ以外をいかに削ぎ落とすか、質をあげるための集中する事が大事というのはわかった気がします。

しかし、述べられている事が、全般的に世の中で良いと言われている行動考え方を「エッセンシャル思考」、そうでないことを「非エッセンシャル思考」という感じの区別をしていて、恣意的というか都合的という印象が大きかった事があります。
また、その考え方・行動の大切さを強調するために様々な例を紹介していますが、すんなり納得して受け入れる事ができないものが個人的に多かったように感じます。
語れば語るほど胡散臭さが増していくような例が多く、エッセンシャル思考を強調するあまり、フェアな考え方から外れているように感じました。

とはいっても、書かれていることは確かに大事な事が多かったと思うので、自分が納得することを取り入れていくといいのかもしれません。

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まとめ

以上、「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」を読んで学んだことのアウトプットでした。

エッセンシャル思考を行うためには、

  • やることを選択
  • トレードオフを理解する
  • 睡眠を取る
  • 断り方を覚える

という点が個人的に重要だなと感じました。

特に色々とやりたいこと、やらなければいけないことをたくさん抱えている自分としては、「集中してやることを選択する」「選択したことに集中して取り組む仕組みを作る」ことについて学ぶ事ができたのはとても役に立ちそうです。

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