現代は非常に忙しく、健康を維持して生きて行くことはなかなか難しいです。
今回は、鈴木祐さんという年に論文を数千本読んでおり「日本一の文献オタク」と言われる方が執筆された書籍、「最高の体調」を読んで学んだ、科学的知見に基づいた体調管理法についてアウトプットしていきます。
私もすぐに体調を崩すのですが、本書を読んで心当たりがあるところが多かったので、がっつり読み込んで最高の体調を手に入れます。
書籍の情報
題名:100の科学的メソッドと40の体験的スキルから編み出した 最高の体調
著者:鈴木祐
出版社:発行 株式会社クロスメディア・パブリッシング 発売 株式会社インプレス
忙しい現代で体調を整える方法
現代の人が共通して抱えている病は「文明病」と言われているそうです。
これは近代社会の急激な変化による現代特有の病気で、症状としては「肥満」「集中力の低下」「うつ病」が挙げられます。
そして、これらの症状は「炎症」と「不安」が最も大きな原因とされています。
この「炎症」と「不安」をどのように軽減していくかが「最高の体調」を手に入れる鍵となるそうです。
そしてその鍵が、「腸を守る」「自然と友人」「ストレス対策」「正当な価値観」「死」「遊び」となるそうです。
文明病とは
「文明病」と言われる、近代社会に変化によって引き起こされる、病気や症状が、現代人を困らせているようです。
この「文明病」には大きく分けて、「肥満」「集中力の低下」「うつ病」が例として挙げられています。
肥満
古代では食料の保存や流通がなかったため、カロリーは重要な資源でした。
この環境で進化してきた人類は、高カロリーな食事を求めるように脳を作り変えてきたそうです。
そして、幸か不幸か、現代では簡単に高カロリーな食事を手に入れることができるようになってしまいました。
その結果が「肥満」です。
本能的に体は高カロリーな食事を求めているため、医師や意思の力だけでは対抗するのは非常に難しいということです。
集中力の低下
脳のパフォーマンスの低下も、進化の過程と現代が適合しないことで起こると考えられているそうです。
都会に住む人は、とある部族に比べて集中力が40%も低かったそうです。
そして、都会に住む人は扁桃体という警戒システムが過敏になっているのではないかと推測されているそうです。
扁桃体が過敏になると、常に緊張やストレスがかかっている状態となり、そのため集中力が分散してしまうと考えられています。
うつ病
日本ではおよそ10人に1人がうつ病であるとされています。
しかし、ここでもとある部族を調べてみると、2000人を調べてもうつ病に悩む人はほぼ0であったそうです。
こういった調査の結果、先進国で暮らす人のうつ病の発症率は部族の人にくらべて100倍も高いことがわかったそうです。
こういった心のトラブルも、進化の過程と現代の発達が噛み合わないことで生じていると考えられています。
解決するためには
この「肥満」「集中力の低下」「うつ病」を解決するためには、現代人の不調の原因である「炎症」と「不安」を取り除く必要があります。
そのためには
・自分が抱える問題点の、進化と現代の噛み合わないところを見つける
・噛み合わない環境を、進化してきた状態に合わせて修正する
という、2つのことをこなす必要があるそうです。
現代病の原因
炎症
長寿な人の共通点として、体の「炎症レベル」が低いということが言われています。
この炎症とは、体が何かしらのダメージを受けた時に、有害な刺激を取り除こうとする防御システムとなっています。
つまり、炎症レベルが高いということは、体が何かしらのダメージを多く受けているという状態ということです。
そして、体調が悪いという人ほど、体内の炎症レベルが高かったそうです。
ではなぜ、炎症は起こるのでしょうか?
炎症の原因として、「睡眠不足」「リーキーガット」が挙げられています。
睡眠
日本人の平均睡眠時間は7時間14分と言われています。
そして、平均の睡眠時間が7〜9時間の範囲を越えると炎症マーカーが激増するそうです。
夜中に目が覚めてしまう場合も体内の炎症は増えるそうです。
これは以前アウトプットした「風邪の科学」でも同様のことが言われていました。
炎症を起こさない睡眠の取り方として、7〜9時間、毎回同じ時間に寝起きするというのが理想的だそうです。
リーキーガット症候群
リーキーガットとは漏れる(leaky)腸(gut)ということで、腸の壁の細胞と細胞の隙間に小さな穴が開く状態だそうです。
本来腸から体内に入らないものがその穴から入ってしまい、炎症が起こるといわれています。
一言でいうと腸のバリア機能が低下しているということですね。
この症状を改善するためには腸内細菌を大切にすることが重要だそうです。
ちなみに、リーキガット症候群はまだ医学的には仮説の段階だそうなので、リーキーガット症候群が炎症に関与してるかもしれない程度で考えると良さそうです。
不安
不安障害の患者がここ15年で2倍に増加しているそうです。
そして、現代人が多く抱える「不安」というのは、具体的ではないぼんやりとした不安が特に悪影響を及ぼしているそうです。
この慢性的な不安によって被る不利益は「記憶力の低下」「理性的な判断ができなくなる」「死期を早める」「不安が不安を呼ぶ負のスパイラル」となっています。
不安というのは本来、危険を知らせる「アラーム」と言われています。
これは本来目の前に迫った危険を知らせるための機能ですが、現代人が抱える慢性的な不安というのは、今よりも遠い未来に抱えるものが多く、そのため不具合が生じているそうです。
最高の体調の入手方法
腸を守る
炎症で例を挙げた、リーキーガットという腸のバリア機能が低下する症状をいかに改善するかです。
これを解決するための鍵は「腸内細菌」と言われています。
腸内細菌を守るための方法は下記の3つです。
・食物繊維の摂取
・プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌入りのサプリ)の摂取
・必要な時以外は抗生物質を使わない
食物繊維の摂取
食物繊維は、厚生省が定める1日の摂取量は20〜27gです。しかし、今の日本人は13〜17gしか摂取できていないそうです。
手軽に食物繊維を摂取するためには、ココアやブルーベリーがおすすめだそうです。
プロバイオティクスの摂取
プロバイオティクスとしてはビオフェルミンやラクトーンAというものがおすすめだそうです。ビオフェルミンは整腸剤としても有名ですね。
あとは、発酵食品(ヨーグルトや納豆、キムチ)を1日40g摂取するのも良いそうです。
抗生物質は必要以上に使わない
抗生物質の使用については、過去にアウトプットした「風邪の科学」でも言われていたように、ウイルス性の風邪には効果がありません。
風邪にかかったからといって、抗生物質を使用しても、効果はないばかりか、腸内細菌ばかりが死滅するという事態になるそうです。
自然と友人を大切に
かの有名なgoogleが従業員の環境について着目するほど、自分が置かれる環境というものが非常に重要だそうです。
中でも、現代人への影響が多い2つの環境が「自然」と「友人」だそうです。
自然
疲労を感じた時には、マッサージよりも自然に触れることで副交感神経が活性化されて、心が安らぐそうです。
自然は、最低でも2日に1回、10分のあいだ木々の下ですごすこと。1日に6〜20分の太陽を浴びることを心がけると良いそうで。
また、観葉植物も効果があり、自然音や自然画像でも効果があるそうです。
ぜひPCのデスクトップを自然画像にしてみてはいかがでしょうか。
友人
人間の寿命を延ばす要素として「良好な社会関係」があります。
例えば、孤独だった人に友達ができた場合、最大で15年も寿命が伸びる傾向があったそうです。
良好な人間関係を築くために3つの重要なことは、「時間」「同期」「互恵」と言われています。
時間は1人あたり200時間ぐらいコミュニケーションを取ることができれば良いそうです。
同期は全員が近い場所で会い、同じような行動を取ることが大切とのことです。
互恵は「好きな相手に利益を与える」ことを指すそうです。助け合いの精神ですね。これによって「信頼」相手に与えることが大事だそうです。
ストレス対策は真剣に
慢性的なストレスは生命を脅かすほど危険というのは今更いうまでもなく自明となっていますね。
ストレスに対処するためには下記の4つの項目が重要です。
・リアプレイザル
・睡眠
・運動
・デジタル断食
リアプレイザル
リアプレイザルとはストレスを感じた時に、「興奮してきたぞ!」と自分に言い聞かせるようなことをします。
自分で言い聞かせることで、ストレスを受け身ではなく自分でコントロールするという手法になるそうです。
最も応急措置の効果が高いとされているそうです。
睡眠
睡眠は、言わずもがな、いかに良質な睡眠を取れるかですね。
寝つきが悪い方は、アイマスクと耳栓を使い、外部からのわずかな刺激をも除去すると良いそうです。
(ちなみにアイマスクと耳栓以外の睡眠アイテムはあまり効果ないそうです。)
昼寝も効果的で、コーヒーを飲んでから15〜20分の昼寝をする「コーヒーナップ」という技がおすすめだそうです。
昼寝が苦手な人でも、10〜15分だけでも目をつぶっているだけで効果があるそうですよ。
運動
運動の目安は1回のセッションで45〜60分、軽く息が上がるぐらいからヘトヘトになるまでで週2回以上というのがおすすめだそうです。
どうしても時間が取れない人は、週2〜3日に12分以上のウォーキングが最低ラインとのことです。
ちなみに運動がストレスに効く最も有力な理由は、体のストレス対策システムを鍛えるという考え方だそうです。
デジタル断食
デジタル断食ですが、この目的は、「超正常刺激」というものを減らすことです。
超正常刺激とは、自然界に存在しないものに本能が反射的に反応する状態のことをいうそうです。
例えば、ポルノに依存してしまい止められない、スマホを触るのが止められないということが挙げられます。
そして、スマホの使用時間が長い人ほど不安は大きく感じると言われています。
超正常刺激による依存症は薬物中毒者と同様に、刺激を遮断することで復旧できるそうです。
なのでスマホを物理的に封印してしまうなど、絶対に触らない時間をつくるといった対策が良さそうです。
正当な価値観を持つ
これはぼんやりとした不安を解消するただ一つだけの方法だそうです。
ぼんやりとした不安は、遠い未来のことを考えるために生じるものと言われています。
なので、人生の価値観というものを未来から今に近づけることが大切です。
遠い未来は「目標」であり、現在のプロセスは「価値」というように、価値というものを正しく定義することが大事だそうです。
死について
いつ訪れるかわからない「死」について考えることも、ぼんやりとした不安になります。
これを軽減させるための鍵は「畏敬」と「観察」になるそうです。
畏敬とは、自然など自分の理解を超えたものに触れた時に生じる感情だそうです。
観察とは、瞑想やマインドフルネスといった、ざっくりいうと自分を客観的に観察することだそうです。
これらを意識すると、死の感情に抗えるそうです。
遊びを怠らない
遊び心がある人ほど、人生を幸せに感じる人が多いそうです。
遊びといっても、普段の生活の中でいかに「遊び化」するかということが重要です。
そして、遊び化するためには、「ルール」と「フィードバック」が重要で、この2つがあることで、今の遊びに集中し、喜びを得ることができるそうです。
仕事でも、「ルール」と「フィードバック」で「遊び化」することが可能なので、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
最高の体調まとめ
最高の体調を得るためには
炎症を抑える
・自然と友人を大切に
・腸を整える
・睡眠と運動
不安を解消する
・正しい価値観を身につける
・今を生きるための感情のコントロール
を行うと良いそうです。
言われてみれば当たり前なことばかりですが、「最高の体調」ではより腑に落ちて説得力があるように書かれています。
私も、この本を読んで、運動、腸を整える、自然と触れるを行なっただけでも、だいぶん体調を崩すことが少なくなったように感じます。
(記録をつけるべきでした)
一度に全てを行うのも無理なので、少しずつ生活に取り入れていってはいかがでしょうか。
気になる方がいましたらぜひ一読してみてはいかがでしょう。
書籍の情報
題名:100の科学的メソッドと40の体験的スキルから編み出した 最高の体調
著者:鈴木祐
出版社:発行 株式会社クロスメディア・パブリッシング 発売 株式会社インプレス
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