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再生医療でもリハビリは大事なんじゃないかという記事のメモ

Science Memo
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本記事では「再生医療とロボットによるリハビリについて」の研究を解説した記事を読んで学んだことをアウトプットします。

概要は下記の通り

再生医療が発展しても、機能回復のためにはリハビリが重要な役割を持っているのではないかということ

再生医療は現在の医療技術では治療することができない新しい治療法というのは今更ですね。
脳や体の一部が欠損してしまったものを再生する研究が幹細胞を使って研究されています。
その時の疑問が、ただ形を治せば機能も治るのか?ということです。
この記事では、再生医療による治療後もリハビリが重要なのではないかということが解説されています。
中でも、歩行支援ロボットを使ったリハビリで、歩行機能の回復が見込めるとのこと。

記事情報

再生医療とロボットリハビリテーション
中川 慧、猪村剛史、籬 拓郎、田中英一郎、栗栖 薫、弓削 類
日本再生医療学会雑誌 再生医療 第18巻第2号 メディカルレビュー社

https://www.m-review.co.jp/magazine/detail/J0027_1802
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記事概要

背景

これまで、脳血管障害、脊髄損傷などの運動機能に関わるような神経に関わる疾患は治療が困難であったためにリハビリテーション(リハビリ)が必要とのことでした。
ところが、中枢神経の疾患に対する再生医療として、移植した幹細胞による神経ネットワークの再構築ができるようになってきています。(参考:実験医学online

ただし、これはあくまでも神経ネットワークという構造的な再生であって、機能的な再生はできていないのではないか?ということです。
そこで、再生医療に対してもリハビリは準備しておいた方が良いのではないかということで注目されているのが「ロボット」を用いたリハビリだそうです。

解決策

現在、脳血管障害などで、歩行支援ロボ「RE-Gait」というものが開発されているそうです。(参考

RE-Gaintの特徴は下記の通り

  • 1kg以下
  • モーターによる関節の動きの補助
  • タブレットによる操作

慢性期の脳血管障害による麻痺に対して、RE-Gaitを用いてリハビリを行うと、2ヵ月でTUG(Time Up and Go Test)が3秒ほど短縮する結果が得られたそうです。(TUGについて

また、装置を外しても、異常歩行が改善されている傾向がみられたことから、正しい歩き方を学習することができるのではないか?という期待がされています。

課題

構造を失って機能も失った際に、再生医療で構造を再構築しても、機能の再学習が必要になる可能性が高いことが予測されているそうです。
ただし、臨床現場での再生医療とリハビリの関係性の理解度はまだ低いとのこと。

再生医療が実装された時に

  • どのようなリハビリが必要か?
  • 役割と課題は何か?

というのははまだわからないそうです。

このような課題と向き合うために「日本再生医療とリハビリテーション学会」というものを立ち上げたそうです。(参考

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思ったこととか考えたこととか

人間、生まれてからすぐに体を動かせる訳ではなく、徐々に動かせるようになっていくこと。そして怪我や病気で長期間動けなくなると、復帰のためにはもちろんリハビリが必要なことを考えると、リハビリは再生医療においても重要な立ち位置になるのではないかなと感じますね。
命に直結する再生医療に対して、生活に直結するリハビリというところでしょうか。

このリハビリについて思ったことは、どこの神経が壊れたかによって対応が違ってくるのかな?ということです。

壊れたのが信号の発信源だった場合、再生した後、歩くということから定義し直す必要があるということでしょうか。
また、壊れたのが信号の途中の経路だった場合、信号の伝達について学習するということでしょうか。

体の動かし方の神経伝達のための経路については結構人によって違うということを聞きます。また、怪我などしても、リハビリによってこれまで使っていた経路とは違う経路で同じ動きをすることができるようになるとも言われていますね。
神経のネットワーク構造はもともと遺伝子に記録されている構造ではなく後天的に発達した構造だと考えられるので、神経のネットワークが再生医療によって全く元通りにはならない可能性の方が高いと考えられます。
となると再生医療に合わせてリハビリを考えることは必要になる可能性は限りなく高いのでは?と思います。

もしその神経ネットワークの構造を記録する方法があり(もしくは記憶されていて)、全く元通りに再生することができたら、リハビリとかせずにすぐに機能も回復することができるのでしょうか。
漫画でよくある戦いの中で腕を切られても、高速再生をしてすぐに戦えるような感じです。

装着型のロボットといえば、筑波大学の研究室が開発したロボットスーツの「HAL」というものがありますね(参考

今回のRE-Gaitとはどう違うんでしょうか?

HALは電気信号を読み取って人が体を動かすのを補助するようです。
HALはもちろんリハビリにも使われていますし、さらにリハビリや介護を補助する側の人にも適応できるそうですね。
すでに導入されているところが結構あるようです。

万能そうに感じるHALの課題としては下記のものがあげられるそうです。(参考

  • 装着や着脱が大変(人の手がかかる)
  • 患者に与えるストレス(機械的ストレスや電極の貼り付けによる皮膚トラブルなど)
  • 患者の受け入れの抵抗感

見た目も機能も少し仰々しいので、ちゃんと理解していない人の抵抗感がすごいらしいです。
また、リハビリを受ける人だけでなく、する側の負担も大きそうですね。体の動かない人に服よりもはるかに重い装置をつけるのは重労働そうです。
気軽に、抵抗感なくできるものがリハビリなどでは大事そうとのことですね。
その点において、RE-Gaitは着脱が簡単そうだったり、患者のストレスも少ないということが利点として考えられそうです。

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